新しい年が始まりました。2024年一発目はどんなマンガを読もうか? と、このコーナーを覗いてくださったあなたにぜひおすすめしたい作品があります。それが、韓国発の大人気マンガ『ナビレラ』です。


Netflixで実写ドラマ化、 アイズナー賞ノミネート! 世界中の注目を集める『ナビレラ』


あれ、どこかで聞いたことがある……と思ったあなた。それもそのはず。本作は、韓国大人気俳優ソン・ガン主演で実写ドラマ化。現在Netflixで「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」というタイトルで配信中のほか、今年春には日本で三浦宏規さん・川平慈英さん出演によるミュージカル化が決定。さらに北米では“漫画界のアカデミー賞”と呼ばれるアイズナー賞にノミネートされるなど、世界的に注目を集めている作品なのです。

本作の主人公は70歳のシム。家族の幸せのために仕事一筋で生きてきたシムですが、同年代の友人の死をきっかけに、人生の最後に後悔しないために幼い頃からの“夢”に挑戦しようと決意。その夢とは、なんとバレエをすること。

 

家族に猛反対されるなか、近所の小さなバレエ団を訪ねたシム。そこで彼が出会ったのは、23歳の若きバレリーノ・チェロクでした。若さはもちろん、才能や体型、全てに恵まれながらもどこか鬱屈した思いを抱え、くすぶっているチェロク。そんな彼を師匠と仰ぎ、どこまでもまっすぐにバレエに挑むシム。

 

実に47歳という年の差を超えてバレエでつながったシムとチェロクですが、そんな2人を待ち受けるのは、とても熱くて、切ない……そして、見るものに勇気を与える奇跡の夢追い物語でした。

 

「遅すぎると言うことはない」ってホント? 夢を追うことの苦悩


――今年こそ何か新しいことを始めよう、今までやってみたことに挑戦してみよう。そんな新たな希望を胸に抱きながらも、なかなか踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。そんな時によく聞く言葉の一つに、イギリスの作家ジョージ・エリオットの「なりたかった自分になるのに、遅すぎると言うことはない」という名言があります。

とても励まされる言葉ですが、本当にそうでしょうか? 何かに挑戦するのであれば、体力的にも精神的にも若い方が何かと有利なはずです。現に70歳でバレエを始めたシムだって、自分の体力の衰えを目の当たりにして顔を曇らせますし、また、妻や息子、孫たちから「良い歳をして何を言っているのか」と。年齢や置かれている立場のせいで、周囲から快い応援を得られずに葛藤します。

では、若いチェロクなら順調なのかと言われたら、決してそうではありません。例えば経済力がなかったり、精神的な未熟さによって迷いが生じたり……。つまり、『ナビレラ』は、年齢関係なく夢を追うことの苦悩や葛藤に真摯に向き合った作品なのです。

歩み続けた先にある眩しい景色


置かれた状況も年齢も何もかも違うシムとチェロクですが、2人を繋ぐのはバレエへの情熱。自分の夢を他人から馬鹿にされたり、容赦なく襲い掛かる老いや時の流れに絶望しながらも、決して歩みを止めない2人。そんなシムとチェロクを見ていると、もちろん夢が叶うかどうかも大切ですが、新しい一歩を踏み出し、歩み続けた先にはこんなにも眩しい景色が広がっているのだと。夢を追うことの尊さを感じるとともに、読後にはきっとあなたの心に一筋の光がそっと差し込むはずです。

新しい年がスタートした今。今年こそは! と意気込みながらも、一歩が踏み出せないあなたはぜひ『ナビレラ』を読んでパワーをもらってみてはいかがでしょうか。豪華オールカラーの1・2巻、絶賛発売中です。

 

【漫画】『ナビレラ』第1話を試し読み!
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<作品紹介>
『ナビレラ』
JIMMY (著), HUN (原著)

70歳のシムは、同年代の友人の死をきっかけに人生の最後に後悔しないため、幼い頃からの「夢」に挑戦しようと思い立つ……それは「バレエ」をすること。家族に猛反対されるなか、町の小さなバレエ団を訪ねたシムはそこで才能に恵まれながらもくすぶる若き青年ダンサー、チェロクに出会い――その情熱に心揺さぶられる! バレエ物語開幕。


<作者プロフィール>
JIMMY (著), HUN (原著)