作家・ライターとして、多くの20代~40代の男女に「現代の男女が抱える問題」について取材をしてきた山本理沙。その赤裸々な声は、まさに「現実は小説より奇なり」。社会も価値観も変化していく現代で、結婚についての悩みは非常に多いようです。

今回お話を聞かせてくれたのは、入籍の1ヵ月前、婚約中だったはずの恋人がなんと既婚者、しかも3人の子持ちだったという悲劇を体験した美咲さん(35歳)。約半年の交際中、一体なぜ彼女は騙され続けてしまったのでしょうか?

前回記事
夫はなぜ「ほかに好きな人ができた」と妻に暴露した?妻にも不倫相手にも見放された夫の意外な末路>>

「入籍の1ヵ月前に、彼が既婚者と判明...」35歳独身女性を襲った悲劇。度を超えたハイスペック男性の大ウソとは? <br />_img0
 
取材者プロフィール
美咲さん(仮名)35歳
職業:金融系
家族構成:独身
 
 


度を超えた既婚男性の欲望


待ち合わせ場所に現れた美咲さんは、優雅な雰囲気を纏い、身嗜みや物腰にも知性を感じる美しい方でした。外資系の金融機関に長年勤めているとのこと、きっと優秀であることがよくわかります。

酷い男に出会ってしまったと事前に話は聞いていましたが、なぜ美咲さんのような女性が不倫に苦しむ必要があるのか、どうしても首を傾げたくなります。

しかし本題に入ると、彼女の表情はまるで別人のように一気に曇りました。

「この歳でようやく本気で好きな人ができて付き合うことになり、このまま結婚すると思っていたのに……まさか彼が結婚していて、子どもが3人もいたなんて……何かの間違いなんじゃないかと何度も思いました。まだうまく信じられないです」

好きになった男性が、実は既婚者だった。決して珍しい話ではありませんが、素性を隠されていた独身女性はひとたまりもありません。

男性の目的は一時的かつ刺激的な恋愛、あるいは性欲によるものかもしれません。しかしながら、独身を偽装し、今回のケースでは結婚の約束までしていました。さすがに度を超えていると思います。

そして、こうした男性を信じてしまう純粋な女性ほど、一度好きになった男性への想いを断ち切るのは難しく、きっと傷を癒すのは簡単ではないだろう……そう思っていると、彼女は歯切れの悪い様子で続けました。

「でも……すみません。私、どうしようもないことに、実はまだ彼と切れていないんです」

美咲さんいわく、彼が既婚と発覚したのは2ヵ月ほど前。

小さなお子さんが3人もいる家庭があるならば、彼と関係を続けるのは茨の道であることは彼女自身が一番わかっているはず。他人にわざわざ言われずとも、様々な葛藤を無限に繰り返しているでしょう。

それでもなぜ、彼を立ち切れないのか? そんな選択をしてしまうのか? 美咲さんは想像以上に泥沼な状況に陥っていました。