ツヤツヤになったところで、次は、ダイヤモンドのセッティング。humの代表、貞清さんのご登場です。

 
 
 

彫り留めと呼ばれるこの作業は、地金に下穴を開け、ダイヤモンドのガードル部分が収まる溝を作ります。そこにダイヤモンドをセットしたら、そのまわりの地金を彫って爪になるように起こします。

 

「意外と最近まで時計用と同じルーペで作業してたんですよ」と貞清さん。……え! 一定の角度でダイヤモンドの周囲を彫るこの工程は、まるで精密機器を取り扱うようなレベルの細かさで、なんと言うか別次元!

そんなことを話しながら、モニターに映し出される作業の様子は、一定のリズムで手際よくスムーズに進みます。

それにしても、1粒ならまだしも、ぎっしりと敷き詰められたパヴェダイヤモンドのセッティングとなると、一体どれほどの時間がかかるのでしょう。なんとも根気のいる作業だと改めて思いました。

 

ダイヤモンドがセッティングされたツヤツヤのリングを、最後にヤスリ状のスポンジで細かい傷をつけてマットに仕上げていきます。

 
 
 

小野先生のご指導のもと、およそ2時間で見事に完成しました! 小さいのに存在感のあるダイヤモンド、そしてマットな風合いが大人っぽくて、とっても気に入りました。

無心に、一心に。「物を作る」ことがもはや久しぶりで、その感覚もとっても心地よかったです。

毎日のように身につけているリングって、実はこうやって作られているんだ、とか、サイズ直しってたまに聞くけれど、こんな工程を経て行われるんだ、とか。特別な技術を磨き上げてきた職人さんのお仕事に触れられるのは、あらためてとても貴重な時間でした。

貞清さんによるダイヤモンドのセッティングを実際に見ることができたのも稀少な経験です。

お手製のリング、早速愛用したいと思います。


撮影/田中駿伍(MAETTICO)
モデル・構成・文/松井陽子
 

 

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