「自分の人生」を歩んでいく必要も


基本、“推しの存在”はファンの心の中にいるので、(ファンにとっては)一心同体の気持ちでいることが多いもの。だから、「推し」の苦しみが自分の苦しみとなり、たとえ残念な報道が出ても、「その事実は受け止められない」「推しの出来事が自分のことのように感じて、精神が弱ってしまう」なんてことも起こり得ます。

もちろんそこまで人を愛し、応援する思いは素敵なことではありますが、私たちは誰もが他人の人生に乗っかるのではなく、「自分の人生」を歩んでいく必要があります。
そのためにも、“推しの人生”に右往左往しすぎないこと、適度な距離をもっておくことは大切なのです。

 


相手を応援する前に大事なこと


以前、テレビを観ていたら、ある人気の女優さんがファンの人たちに対して「私を応援するように、自分のことも応援してくださいね」とおっしゃっていました。素敵な言葉ですよね。
まずは、自分のことを「応援すること」「大事にすること」「愛すること」は重要で、だからこそ、本当の意味で、相手を「応援すること」「大事にすること」「愛すること」ができるようになるものなのです。

基本、自分に対してできないことは、人にもできません。もし自分を愛せないからといって、人を愛すること(応援すること)で誤魔化そうとする場合は、そこにあるのは“本当の愛”ではない可能性は高い。
相手に“自分の理想”を投影しているだけで、“相手そのもの”を見て、愛し、応援しているわけではないこともあるのです。

私たちは、「愛」を学ぶ必要があります。愛とは、「自分に対しても、相手に対しても、甘やかせるのではなく、ありのままを受け止めつつ、成長を願うこと」です
それでいうと、仮に「推し」が今は残念なところがあっても、成長を願うことができる人は、“本物のファン”だと言えるでしょう。
 

人を見る目を養いながら、本当の愛も抱ける人に


このように、「推し」の残念なニュースを目にしたときほど、「推しと程よい距離を保てているのか」「先入観(イメージ)で相手を見ていなかったか」「“今の相手”を見ているのか」「本当に応援しているのか(愛しているのか)」など、自分の在り方も考えさせられるものです。

実はこの考え方は、日頃の人間関係でも必要なことです。これらができると、いい人を見抜き、良好な関係が築きやすくなるからです。
人を見る目を養いながら、本当の愛も抱ける人を目指したいものですね。
 

 

前回記事「40代以上の女性が「これだけは奮発する買い物」。その年代の特徴も」>>