前回はこのところブームになっている新NISA(小額投資非課税制度)を入口として、投資を継続的に行っていくための基本原則について解説しました。
前回記事
【新NISA】投資の“高リスク”って具体的にどこから?プロが教える「失敗する人はほぼ100%これを忘れてる」投資の基本原則>>
基本原則というのは、投資に限らずあらゆる分野で重要な意味を持っていますが、大事な原則であればあるほど、内容はシンプルであっけないものだったりします。「そんなこと分かっているよ」と思いたくなりますが、ここはしっかりと胆力で受け止めていく必要がありそうです。
前回はもっとも重要な「リスクとリターン」について解説しました。今回、取り上げるのは、同じくらい大事な「習うより慣れろ」という基本原則です。
筆者は30年にわたって積み立て型の株式投資を行い、それなりの資産形成に成功しました。投資ファンドにも勤務したことがありますから、業務としても投資に取り組んだ経験があります。そのような筆者の立場からすると、投資でもっとも大事なのは、やはり「慣れる」ことです。
多くの人は、プロの投資家というのは、難しい金融工学を駆使して、魔法のようにお金を生み出していると思っているかもしれませんが、実際はそうでもありません。筆者も投資ファンド在籍時には金融工学的な手法を駆使していましたが、それはプロがプロにサービスを提供して対価を獲得するにあたって、リスク管理上必要となるからにすぎません。はっきり申し上げてしまうと金融工学を駆使したからといって投資で儲かるようにはならないのです。
プロの場合には、顧客もプロなので様々な事情や制約条件がある中、様々な手法が試されますが、着実に利益を上げようと思うのなら、新NISAで想定されているように、優良企業に分散投資を行い、15年以上の時間をかけてじっくり投資を継続するのがベストです。プロでもアマチュアでも結局、やることは同じことですから、長期投資に取り組む限り、アマチュアの人もプロと同じ土俵で勝負ができると思ってください。
そうなると投資の成否を分けるのは、途中で挫折せずに投資を継続できるのかという1点にかかってくることになるでしょう。ここで慣れが非常に重要な意味を持ってきます。
筆者は常々、投資というのはスポーツや習い事と同じであると説明しています。
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