年々やせにくく、太りやすくなってきた……そう感じる40代は多いかもしれません。加齢と共に代謝が落ちていくだけではなく、若い時に比べて活動量が減っているのも要因のひとつ。
「でも食べないダイエットは絶対に禁物。代謝を落としてさらにやせにくくなるだけではなく、やつれて老けた印象になってしまいます。また40代以降はホルモンバランスが乱れやすく、閉経後は骨粗しょう症リスクやコレステロール値が高くなる傾向に。食べないダイエットをすることで病気のリスクも上がってしまいます」と管理栄養士の岸村康代さん。
そこで実践したいのが食べ方を工夫する「食べてやせるダイエット」です。

「この時季、注目すべきは春に旬を迎える食材。春野菜は食物繊維やカリウムなど、冬に溜め込んだ脂肪や余分なものを排出する栄養素が豊富です。春に旬を迎える魚介類も栄養豊富で低カロリー。“やせる栄養素”がギュッと詰まった旬の食材で、健康的にやせませんか?」
この連載では8回に渡って、ダイエットのために取り入れたい旬の食材とおすすめの食べ方をご紹介。第7回は「よもぎ」です。
 

排出力をぐっと高めながら、エネルギー代謝をサポート!

 

草もちなどではなじみがある「よもぎ」ですが、地方によってはその薬膳効果に注目されていて、例えば沖縄ではそばに薬味としてどっさり入れたり、フーチバージューシー(よもぎの炊き込みご飯)など一般的によく食べられています。また食べる以外にも薬草として煎じて飲んだり、入浴剤として使用することも。韓国ではよもぎ蒸しで女性の体調を管理していることも有名です。
「以前、よもぎについて調べたときに、その栄養の豊富さに本当にびっくりしました」と岸村さん。
「よもぎ100gあたり、食物繊維は7.8gと突出して多いですし、カリウムは890mgと一般的な野菜の平均値の2倍以上もあります。食物繊維は腸内環境に働きかけ、カリウムはむくみを予防するので、食材の中でもデトックス効果がトップレベルです。排出力を高めると同時に、血糖値の上昇を抑えて脂肪の蓄積を防ぐことができます」

さらにビタミン、ミネラルも豊富だそう。「ビタミンはビタミンA、ビタミンB1、B2、ビタミンC、ビタミンKを豊富に含みます。ビタミンB1は糖質、ビタミンB2は脂質の代謝に関わる補酵素で、エネルギー代謝をサポート。ミネラルはカリウムのほかにカルシウムや鉄を多く含みます。どちらも女性にはうれしい栄養素です」

もはやスーパーフードといっても過言ではないよもぎですが、あまりスーパーで見かけることがないかもしれません。「道の駅などで販売していることがあるかもしれませんが、スーパーで取り扱っているところは少ないですね。ただ生が手に入っても茹でてすりつぶして使うので、意外と手間がかかります」
そこで岸村さんがおすすめするのが、よもぎパウダーです。「下準備がいらず、手軽に使えます。スーパーでの取り扱いも増えていますし、インターネットでも購入できます」
 

 


おすすめレシピ よもぎヨーグルト

 

「よもぎの食物繊維と相性がよいのが、発酵食品。一緒に摂ることで、腸内の善玉菌が増えて活性化されます。そこでヨーグルトによもぎパウダーをかけた一品を。おやつの代わりだけでなく、朝食にもおすすめです」(岸村さん)

 材料 
ヨーグルト 1カップ
よもぎパウダー 適宜

 作り方 
ヨーグルトによもぎパウダーをかける。好みではちみつやナッツ(分量外)などもプラスして。
※写真は混ぜていますが、ふりかけるだけでもOK。



40代以降は腸内の善玉菌が減る傾向にあります。溜め込むと太りやすくのはもちろん、病気のリスクも上がってくるそう。よもぎヨーグルトで腸内環境を整えて、体の排出力を高めましょう。
 

岸村康代さん管理栄養士。野菜ソムリエ上級プロ。一般社団法人 大人のダイエット研究所 代表理事。ダイエット指導では2000人以上を成功に導き、落とした脂肪は合計10トンを超える。テレビをはじめとするメディア出演も多い。『きれいにやせる 食材&食べ方図鑑』(家の光協会)など著書も多数。


写真:Shutterstock
構成・文/村田由美子
 

 

第1回「代謝を促進してむくみを解消!「菜花(なばな)」の驚くべきダイエット効果」>>

第2回「やせる栄養素が丸ごと摂れる!「ホタルイカ」でヘルシーダイエット」>>

第3回「おやつ代わりに食べるだけでOK! 低糖質フルーツ「いちご」でスリム&美肌に」>>

第4回「ダイエットに欠かせない!「初カツオ」のヘルシーなたんぱく質に注目」>>

第5回「かめばかむほどうれいしい効果!「春キャベツ」ファーストでやせ体質!」>>

第6回「筋肉&代謝アップ!「しらす」の知られざるやせ効果とは!?」>>