北澤 ありがとうございます。いつも絵本の発売時に、“絵本のキャラクターがその本を読んでいる”っていうポストカードを作っていて、今回も、“ひげがながすぎるねこ”が『ひげが ながすぎる ねこ』を読んでいます。
中田 素敵なアイデア! ほんとだ、『ゆらゆら』のポストカードも、キャラクターが『ゆらゆら』の絵本を読んでる!
中田 そもそもお菓子缶愛好家の私としては、北澤さんといえば、「キャラメルゴーストハウス」、そして「フランセ」なんですよね。ミモレの読者さんも、北澤さんのお名前はご存じなかったとしても、絵は「知ってる」「見たことがある」という方が多いのではないかと思うんです。
中田 とくに「フランセ」が北澤さんの絵に変わった時、すごく衝撃的でした。なんでしょう、売り場がバッと明るくなったというか……。昔ももちろん素敵だったんですけれど、新しい世代になったなっていう印象がありました。
北澤 うれしいです。本は編集さんとデザイナーさんと一緒に作るんですが、同じようにお菓子のパッケージもアートディレクターさんとクライアントさんと三位一体で作っているんですよね。フランセとキャラメルゴーストハウスはアートディレクターさんが同じ方で、彼がさまざまな新しい提案をしてくれたことで、私の絵の世界がぐっと広がっていきました。
中田 どんなふうに世界が広がっていったんですか?
北澤 「フランセ」のリニューアルのときには、いろんな種類のお菓子をシリーズで差別化したいから、全部違う画材を使ってみましょうって言われて……。けっこうな無茶ぶりでしたが、そこから新しいタッチがたくさん生まれていったんです。今回の『ひげが ながすぎる ねこ』で使ったカリグラフィーペンのゆるいタッチも「フランセ」のお仕事から生まれました。
中田 そうだったんですね。そうやって、自分に起爆剤を投げてくれるような人がいることは、すごいありがたいですよね。大人になると自分の中でも慣れが出てきちゃって、「何かに挑戦する」っていうこと、なくなってくるじゃないですか。ずっと同じ仕事をしていると特に。
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