北澤 はい。仕事中はほぼ音楽をかけています。絵本とか、まとまったものを作る時っていうのは大抵アルバムを1つ決めて、それを繰り返し聞いてるんですよね。なので、その時にかけていた音楽の内容やリズム感は、作品に確実に影響を与えてるとは思います。
中田 いつもレコードで聞くんですか?
北澤 レコードで聞く場合とCDで聞く場合があります。やっぱり形のある「物」が好きなので、サブスクには入っていません。
中田 レコードにするかCDにするかは、どうやって選ぶんですか?
北澤 長さで決めることも多いかな。レコードって片面が20分ぐらいで、そのあと裏返さないといけない。なので、20分を1セッションとしてどこまで描けるかって感じなのです。例えば、ちょっと長めに塗ったりしたいときはCDで聞く。するとだいたい50分ぐらい。タイムキーパーみたいな感じですね。CDも長くて70分のものもあれば、短くて30分のものもあるので、収録時間の長さで決める場合もあります。
中田 へえ〜かっこいい。そういうやり方もあるんですね。
北澤 フリーランスって、なにか区切りをつけないとだらけちゃうのです。そういう意味では、この鳩時計も……30分に1回鳴いてくれるんですが、そういう役割がありますね。鳩が鳴いたからひるねできるとか、鳩が鳴いたからひるね終わり、とか。
中田 「ひるね」はフリーランスの特権ですよね。
北澤 そうなんです。ひるねとゲームができるって、フリーになってよかったなぁって(笑)。このソファーはひるね用です。
中田 エッシャー的思考を養うためにゲームが大事なんですよね(笑)。それからこの、「波打ち際」というのは?
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