2017.5.23

小さな花を、ふだんの器で気軽に飾る 1

 

花をいつも飾っていたいと思います。でも、いざ花屋さんにいくと、花材の値段に腰が引け、好きな花にあれもこれもと目移りし、どれを買ったらよいのか迷って疲れ、結局買わずに店を出ることも少なくありません。

好きな花を一本ずつ買い、それぞれ違う花瓶に飾るのもいいのですが、やはりある程度まとまった花を活けたいと思うとき、上手な買い方、失敗しない選び方のコツはあるでしょうか。

長年の仕事仲間でもあり、今年20周年を迎えた南青山の花店、ル・ベスベ。スタッフの中原典子さんに伺ってきました。

限られた予算内で、家にある瓶や道具を使って気軽に花を飾る方法を、今週と来週の2回に分けてお伝えします。

まず今回は、花店で自分の好きな花を選び、小さなアレンジを作るコツです。

ポイント1 中心にしたい花をまず1本選ぶ。
ポイント2 葉っぱを大切に考える。

葉っぱは添え物のように思えますが、活けたときのニュアンスや陰翳をつける役目があり、全体をふんわりと立体的に見せてくれます。
2~3種類くらい入れると動きが出てきれいです。

わたしの好きな花でやってみました。

  • 1 最初の一本を選ぶ
    この季節には必ず飾りたくなる大好きなライラック。ふっさりとした一枝を中心の花に決めました。
  • 2 もう1本、好きな花を加える
    さらに、色と形に魅了された深いブルーのクレマチスをプラス。同じ種類でも、花の向きや大きさ、葉の形など、よく観察します。
  • 3 ここでサブ的な葉っぱ系を投入
    ここでニュアンスをつける役割をする葉っぱ系を入れていきます。選んだのは不思議な花をもつセリンセ。丸くしだれる形状が立体感のある動きをもたらします。
  • 4 引締め色を加える
    一度、全体を引いて見ます。ライラックとクレマチス、どちらも淡い色なので、引締め色を加えることに。濃いチョコレート色のスカビオサを2本プラス。さらに全体のバランスを考えてクレマチスをもう一本、そしてカラスノエンドウも少し加えました。これで2000円くらいです。
  • 5 活ける前の水切り
    器に水を用意し、それぞれの花の茎を水切り、ライラックは下の方の皮を少し剝ぎ、切込みを入れて水が上がり易くします。
  • 6 全体を整えて飾る
    手で形を整え、飾ります。花瓶はガラスのビーカーを使用。クレマチスは種類が多く、この釣鐘型の品種は「麻里」という名前だそう。

中原さんによると、お店で「お任せします」とおっしゃるお客様も、いろいろなことを少しずつ伺っていくと、やはりお好みはあるのだということがわかる、と言います。

最初に、いちばん好きな花を選び、次に2番目に好きな花を。

そして葉っぱ系でニュアンスをつけたら、全体を引き締める色を加える。

この手順を覚えておくと、花材が増えすぎてしまったり、全体が散漫になったりすることが避けられるでしょう。

そして、選ぶときは、これはと思った一本をよく観察すること。

色、形、花びらのつき方、大きさ、葉のつき方、葉の形状、そして香りまで、焦らず落ち着いて選ぶと、少ない数でも満足できるアレンジができあがります。

来週は、少ない花材で優美に見えるプチ・ラウンドブーケの提案と、わたしも大好きな、道端に咲く名もない花を活けるコツをお伝えします。

都心に出現した森の小屋のようなル・ベスベ。美しい花々と、緑の指を持つ素敵なスタッフの方々がテキパキと働く姿に癒されます。