経済的な理由なら、上司と徹底抗戦してください。33歳の上司に訴えてもダメなら社長に訴える、それでもダメなら労働組合や労働基準監督署に駆け込むのも手でしょう。弁護士に相談してもいい。戦い方はいろいろあります。43歳にもなればその知識も持っているでしょうし、戦える経験値もあるはずです。その強みを生かしてください。
しかしおそらく、辞めたくない理由はお金ではないのではないでしょうか? 「悔しいから辞めたくない」と書かれていましたから。ひょっとしたら、その自分の意地が、自分自身を追い詰めてはいないでしょうか? ですが、ある日突然夫に病気が発覚して死別したという経験をしている私にとっては、「時は金なり」ではありません、「時は命なり」なのです。これは同じく夫を亡くした友人が言っていた言葉なのですが、本当にその通りで、命には限りがあります。それをパワハラ上司なんかに費やしているなんてもったいない。しかも不妊治療に影響が出るほど……。
katsukoさんにとって今、大事なことは何でしょう? 赤ちゃんを授かることなのではないでしょうか。そして、自分自身の健康も大切にしてほしいと思います。相手と同じ土俵に乗ってしまわず、自分にとって本当に大事なことを見つめ直してください。そしてそこに時間をかけてください。もちろんそれが上司と戦うことでしたら、私はそれを応援いたします。
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- 金子稚子(かねこわかこ)1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)、『死後のプロデュース』(PHP新書)、『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』(河出書房新社)など。編集・執筆協力に『大人のおしゃれ手帖特別編集 親の看取り』(宝島社)がある。 この人の回答一覧を見る
- 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
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