40代で「発達障害(アスペルガー症候群、ADHD)」という診断を受けた、漫画家・作家さかもと未明さんは、星野仁彦医師のもと治療を受けます。発達障害の治療にはさまざまなアプローチがありますが、さかもとさんはまず薬物療法を試してみることに。
アスペルガー症候群は、脳のなかでも“報酬系”といわれる部分が弱く、ドーパミンやノルアドレナリンといった「幸福感」を感じるための成分の分泌が少ないとされます。そこでドーパミンに似た成分の薬を処方することによって、症状の改善をはかるのです。
期待していなかった投薬治療だけれど…
幸い、薬の効果が覿面にあらわれたさかもとさん。しかし、その薬が思わぬ二次障害をもたらします。
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投薬によって引き起こされた双極性障害。ネット上で炎上を起こすなど世間を騒がせた「JAL事件」にも、こんな事情が……。これが、発達障害の治療の難しさ。その人の特性に合わせながら、心理療法やカウンセリングなどを組み合わせながら、家族などの理解とサポートを得ることが大切なのです。
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「発達障害治療の中で見つけた、「生きづらい私」とのつきあい方」は7月30日公開です。
さかもと 未明(さかもと・みめい)
漫画家、作家。1965年神奈川県に生まれる。玉川大学英文科卒業後、商社勤務を経て漫画家に。その後、評論活動やテレビ出演も多くコメンテーターとしても活躍、歌手デビューも果たす。 2007年に膠原病と診断され、発達障害だったことも明らかに。著書に『神様は、いじわる』(文春新書)、『どん底力! 失意の底から這い上がるための29の方法。』(マガジンハウス)、『女子のお値段』(小学館)、『まさか発達障害だったなんて 「困った人」と呼ばれ続けて』(PHP新書、星野仁彦氏との共著)、『マンガローマ帝国の歴史』(講談社)など。
『奥さまは発達障害』
著者 さかもと未明 監修:星野仁彦 1300円(税別) 講談社
本書は、膠原病という難病を抱え、発達障害の人が直面する様々な困難と向き合う著者の「日常」を綴ったコミックエッセイです。
40代になって発達障害(アスペルガー症候群、ADHD)を宣告された、さかもと未明氏と宣告をした発達障害臨床の第一人者、星野仁彦先生が、「発達障害の真実」に迫ります。
発達障害と診断されるまで。診断されてから薬物療法や心理療法と取り組みながら、日常をどう過ごしていくのか――世間を騒がせた、「不倫裁判」や「JAL事件」についても赤裸々に描きます。
「空気が読めない人」「困った人」「非コミュ」……そんな社会問題の背景として、近年、ごく身近な問題となった「大人の発達障害」について、著者の体験を通じて理解を深める一冊です。
『奥さまは発達障害』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
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