奈須子さんは、仲が良かった人が上司になったら厳しかった、ということに驚かれたのですよね。人によってはプライベートと仕事で、180度キャラクターが変わる方というのはいます。上司はそういう人なのだと思って、あまり感情的にならないことも大切かと思います。

 

そのように割り切ることをお勧めいたしますが、社会人として丁寧な対応はするようにしてください。彼女の言い分にも一理あると思ったらそこは従う、など。ですが納得いかないと思った時には、先ほどもお伝えしたように、しかるべき部署に相談されたほうが良いと思います。今は上司にいろいろ細かく言われているようですが、それが、上司がただ言いたくて言っているだけのものか、あるいは自分にスキルが足りないため言われているものか、そこは冷静に見極めて対応することが大切です。まわりの同僚に、上司の言っていることをどう思うか聞いてみるのも良いでしょう。

 

実は私も自分の友人が上司になった経験があるのです。そのとき私は、「友達か仕事かとなったら、友達を選ぶ」と心に決め、「だから絶対に関係を崩さないよう、完璧に仕事をする」という緊張感を持って仕事にのぞみました。また自分が昇進した時には、尊敬する先輩から「これからは部下とはご飯に行けないと思いなさい。アナタに求められているのは部下と仲良くすることではなく、リーダーとして結果を出すことなのだから」と言われたこともあります。その後部下とはむしろ仲良くなれたように思いますが、もちろんこれは結果論。人の上に立つからには仕事の成果を出すことが前提ですし、それが部下のためにもなるからです。優先順位は間違えないようにしていました。

奈須子さんも、上司の女性と仲が良かったことはいったん忘れて、プロフェッショナルな仕事人として「冷静に付き合う」と決めてみてはいかがでしょう。それで上司と以前のように仲良くできなくて残念に感じたとしても、上下関係でなくなったらまた元の関係に戻れるはず。あくまで上司と部下としての相性が良くないだけで、そこは心配しなくても大丈夫だと思います。ただしストレスはそのまま放置しないで。それだけは必ずきちんと対応をされてくださいね!

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PROFILE
  • 土屋香里20年以上にわたり「SK−Ⅱ」のPRとして活躍。世界的化粧品ブランドに育て上げ、“伝説のPR”と呼ばれている。2018年に独立、フリーのPRコンサルタントとして活躍中。20代頃、会社が外資系企業に買収され、社内公用語がいきなり英語に変わるという経験も。日本だけでなく、グローバルのPRマネージャーとして海外にも赴任。多国籍のPRチームをまとめ、日本内外のたくさんの部下や後輩を育てた、という経験を持つ。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
 取材・文/山本奈緒子

 

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