インコ、オウム、フラミンゴにフクロウ……ファッションやインテリアではオシャレの定番として人気の「鳥」モチーフ。近年では、鳥カフェや花鳥園など、鳥とふれあえる「映え」スポットも関心を集めていますが、世界一の「映え」を極めた鳥がいるのをご存じでしょうか?

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トレンドのイエローをあえてのオレンジで昇華 オウゴンフウチョウモドキの圧巻な色テク
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タンビカンザシフウチョウの全身黒スタイルは、スパンコール風の蝶ネクタイが決め手!
 

いかがでしょう、このスタイリッシュなたたずまい。
思わず、オフランフェイのモデルたちのように、キャッチフレーズをつけたくなる姿です。
ここでは、そんな「オシャレすぎる鳥・極楽鳥」について、注目の写真家・嶋田忠氏による世界初の貴重なショットをまじえ、ご紹介します。
 

進化しすぎた鳥、「極楽鳥」と「庭師鳥」


赤道直下の島、ニューギニア島。この『地球最後の秘境』には、固有の進化をとげた不思議な生きものたちがあふれています。中でもとくに目を惹くのが、世界一美しい「森の精霊」とよばれる、極楽鳥と庭師鳥。オスたちが、美しい羽で着飾り求愛ダンスをするさまは、まさに「映え」を極めた奇跡の姿です。

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パプアニューギニアの国鳥、アカカザリフウチョウ。インパクト大の青いチークに、スケ感のある赤い尾羽が個性的!

極楽鳥は、世界でニューギニア島とオーストラリアの北東部にしかいない鳥。全部で42種類が確認されていて、パプアニューギニアにはそのうち32種類が生息しています。

オスには「飾り羽」があり、メスに求愛をするときに大変身! 
おおもとはカラスの仲間なので、カラスと同じくとても賢い鳥だそう。
極楽鳥は、成鳥になるまで数年もかけて踊りの技術を学び、驚きのダンステクニックを獲得します。
また、庭師鳥のなかまには「アズマヤ」とよばれる巣を作り、オス同士でダンスの練習するという、ユニークな習性をもつものも。
下の写真は、若いオス(2匹の写真)が、大人のオスから求愛ダンスを学ぶ様子をとらえたショット。貴重な瞬間を撮影した、世界初の快挙です。

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オウゴンフウチョウモドキのオスたちが、小枝でつくったアズマヤに集まって、求愛ダンスの練習中。

不思議なヴィジュアルと習性をもつ極楽鳥。彼らが、これほどまでに華やかな進化をとげられたのは、天敵のいない環境があったから。地球最後の秘境は、まさに鳥たちにとっての楽園だったのです。
生存をおびやかされることなく、求愛のためにひたすらオシャレを極める……極楽鳥の人生(鳥生?)は、なんて優雅でドラマチックなんでしょう。
 

最強自然写真家・嶋田忠


世にも珍しい極楽鳥ですが、この謎と奇跡に挑む写真家が、日本にいるというから驚きです。それが、自然写真家の嶋田忠氏。
嶋田氏はおもに野鳥をテーマとした写真・映像作品で国内外から高い評価を受ける写真家で、NHK「ダーウィンがきた!」などTVでも活躍中です。
70歳をむかえる現在も精力的に活動し、足を踏み入れるだけでも困難な熱帯雨林の中で、極楽鳥を追い続けています。

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ニューギニアの戦士と嶋田さん(右)。腕っぷしが強いので、現地では人気者だそう。

秘境にくらす極楽鳥の撮影は、常に危険と隣り合わせ。熱帯雨林の中では滑落や倒木などの事故をはじめ、山賊にでくわす恐れもあるのだとか。実に命がけの厳しい世界です。
嶋田氏はそんな過酷な状況の中でも、世界初のショットを収めることに成功するなど、まさに「最強自然写真家」といえる人物なのです。

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「幻の極楽鳥」とよばれるアオフウチョウの求愛ダンスを鮮明にとらえた世界初のショット

 

極楽鳥づくしのイベント&写真集


この、嶋田忠氏が撮影した極楽鳥たちを存分に堪能できるイベントが、恵比寿ガーデンプレイス内のアートスポット、東京都写真美術館で開催中! 
開催初日には、高円宮妃久子さまもご来場されるなど、写真ファン、鳥類ファンからも大注目の展覧会です。

【嶋田 忠 野生の瞬間 華麗なる鳥の世界】
7/23 ~ 9/23 東京都写真美術館

また、9/7からは、『嶋田忠写真展―野鳥に魅せられた男の物語―』を九州産業大学美術館で開催予定です。


極楽鳥たちの奇跡の瞬間を、世界初披露する写真集も刊行されています。
極楽鳥を20年にわたって追い続けた、写真家・嶋田忠氏の集大成といえる一冊です。
 

試し読みをぜひチェック!

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『LAST PARADISE 精霊の踊る森』

著者 嶋田 忠 講談社

極楽鳥と庭師鳥の、生命力にあふれた息を飲む美しさ。
道なき道をかき分け、人跡未踏の地に挑んだ『最強写真家』がとらえた、神秘の鳥たちのすがたを心ゆくまでご堪能ください。
 

アイコン画像

著者プロフィール
自然写真家 嶋田 忠(しまだ・ただし)

1949 年埼玉県入間郡大井村(現・ふじみ野市)生まれ。幼少の頃から、武蔵野の自然に親しみ、野鳥と共に過ごす。日本大学農獣医学部畜産学科卒業後、動物雑誌『アニマ』(平凡社)創刊に参加。80 年『カワセミ 清流に翔ぶ』により、第17 回太陽賞、日本写真家協会新人賞を受賞。86 年『火の鳥 アカショウビン』により日本写真家協会年度賞を受賞。80 年より北海道に移り住み、北海道を拠点に、国内外の自然写真を撮り続けている。1993 年より7 年間、テレビ朝日・ニュースステーション特集「嶋田忠の野生の瞬間」シリーズのため、海外で映像作品を制作。映像では、アメリカ・IBA 国際放送賞、ギャラクシー奨励賞を受賞している。

▼極楽鳥や写真家・嶋田忠氏についての詳しいインタビューはコチラ▼
講談社ブルーバックス ウェブサイト 嶋田忠氏インタビュー(全3回)
 

写真/ ©Tadashi Shimada