1つは、認めてあげることです。彼女の指導には的確な部分もあるとのことですから、そこに関しては「指導が的確である」ときちんと認めてあげてください。そのうえで、「その指導を生かしたいのだけど、事実として部下たちがこう受け止めていて、せっかく指導がマイナスに働いている。他にもっと結果が出るやり方はないだろうか?」と提案するのです。

もう1つは、厳しい言い方によって周りからのその方への評価が下がっているなら、「もったいないので気をつけたほうが良いですよ」と伝える方法です。部下のキャリアサポートにおいて何かを伝えるとき気をつけてほしいのは、個人の感情とプロとしての評価やアドバイスを分けることです。「威圧的な態度は良くないと思う」などと自分の個人的意見を述べてしまうと、反感を覚えて頑になってしまう人は少なくありませんから。

 

そして何より大事なのは、リスペクトを持って伝えることです。このお悩みのポイントは、“年上の部下”であることが大きいと思います。年上の方、キャリアがある方というのは、長く会社に貢献してきている方でもあります。はなまるさんはたしかに彼女の上司ではありますが、それは彼女より偉いということではなくて、仕事の守備範囲が違うというだけのこと。そこを忘れず、リスペクトをもって、先にお伝えしたポイントを意識しながら伝えてみてください。すぐには変わらないかもしれませんが、心の片隅にはとどめてくれるのではないかと思います。そうすれば、彼女も少しずつ変わっていくかもしれません。

 

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PROFILE
  • 土屋香里20年以上にわたり「SK−Ⅱ」のPRとして活躍。世界的化粧品ブランドに育て上げ、“伝説のPR”と呼ばれている。2018年に独立、フリーのPRコンサルタントとして活躍中。20代頃、会社が外資系企業に買収され、社内公用語がいきなり英語に変わるという経験も。日本だけでなく、グローバルのPRマネージャーとして海外にも赴任。多国籍のPRチームをまとめ、日本内外のたくさんの部下や後輩を育てた、という経験を持つ。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
 取材・文/山本奈緒子

 

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