もちろん、birdさんは間違ったことは言っていません。ですが、人によっては聞いてほしい、共感してほしい、という感情が強すぎる場合も。それを傷つけると頑なになってしまう人は実際多いので、相手の気持ちになって理解を示す、というのもコミュニケーションにおいては大切なことです。実際birdさんは、この件で周囲の空気を悪くしてしまい、自己嫌悪に陥るほど気にされています。「何を言われようと気にしない」というキャラクターでやっていく、と決心されているわけではないようですので、それならば今よりもう少し、多彩なコミュニケーションスキルを身につけることは必要かと思います。何よりこのスキルを身につけると、いろいろなところで役立ちます。まずは、自分が思っている以上にデリケートな人はいる、という発想の転換をすることから始められてみてはいかがでしょうか?

 

ただお悩みを拝見していて、少しだけ気になったことがあります。それは文章のニュアンスから、どこかしら派遣の方を少し下に見ている空気を感じたことです。仕事においては、正社員であるとか派遣であるとか、そういった属性で人を見ないほうが良いと私は思っています。皆、それぞれの目的があって今の属性をチョイスしているだけで、どちらが上ということはないと思うからです。

 

たとえば私は人に伝えることが好きでPRの仕事をしているのですが、反面、異常なほど事務作業が苦手です。伝票など、何度見返しながら打っても間違っているほど。それができる人をとても尊敬しています。何が得意かはそれぞれの個性で、そこに上下関係があるとは思わないのです。何より、上下意識を持っていることで物事が良い方向に転ぶことはまずないと思いますから、「女性はこう」と決めつけず、彼女の気持ちにも立ってみることをされてみてください。

ただし、birdさんの立場での責任を果たされることは必須です。そこを無視して、彼女が感情的な交流のみを求めてくるようでしたら、そこはハッキリと伝え、怒らせたとしても自己嫌悪に陥る必要はないと思います。「私は責務を果たしただけだ」と、自信を持って気にしないようにしてください。

連載一覧はこちら↓↓

・私のミスを言いふらす必要ある?上司になった途端に態度が豹変した同僚
・「生まれた時からやり直せ」暴言連発のお局様に、もう我慢の限界!
・「〇〇さんお茶」「付き合って」今もまだある、時代遅れ男のビックリ発言
・新人が何人も辞めていく…お局様に威圧的な態度を改めてもらうには
 

PROFILE
  • 土屋香里20年以上にわたり「SK−Ⅱ」のPRとして活躍。世界的化粧品ブランドに育て上げ、“伝説のPR”と呼ばれている。2018年に独立、フリーのPRコンサルタントとして活躍中。20代頃、会社が外資系企業に買収され、社内公用語がいきなり英語に変わるという経験も。日本だけでなく、グローバルのPRマネージャーとして海外にも赴任。多国籍のPRチームをまとめ、日本内外のたくさんの部下や後輩を育てた、という経験を持つ。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
 取材・文/山本奈緒子

 

前回記事「何かと気を遣う「年上部下」のトリセツ。言いにくいことを伝える時のポイント3つ」はこちら>>

ライフスタイルのお悩み回答者一覧
 
 
  • 1
  • 2