そしてわたしはぴあのさんと彼との間には、温度差があるようです。実際、彼からの反応は薄い。すると今度は「嫌われたかも!」と悲劇のヒロイン的思考になってしまう。これも、妄想族によくある思考パターンです。

しかしわたしはぴあのさんは、彼に迷惑をかけることを恐れていらっしゃるんですよね。ならばどうすれば良いのかと言いますと、こういうときは頭で考えるよりも、行動することのほうが大事なのです。彼がいいと言うなら、メールを送ってもいいでしょう。そうすれば、彼との温度差を身をもって理解できると思いますから。でもこのまま頭でだけ考えていると、自分で穴を掘って落ちてしまう、という事態になりかねません。

 
 

もう一つ、目を向けてほしい点があります。それは悩みが“彼軸”になっていることです。わたしはぴあのさんのお悩みを拝見していると、彼の話が中心です。彼も話したそうにしていた、彼は異動して大変だ、など。つまり、今は彼が主人公の世界を生きているのです。だからまずは、それを“自分軸”に戻しましょう、ということをお伝えしたいと思います。

本来、人というのは、自分の嗜好や気持ちが大事なものです。おそらくわたしはぴあのさんが彼にのめり込んでしまっている背景には、今の家庭に退屈している、あるいは寂しさを感じている、といったことがあるのではないでしょうか。だから刺激を求めて、ワーッとエネルギーを注ぎ込んでしまうのだと思います。これが、“彼軸”になってしまう要因なのですね。

わたしはぴあのさんは、彼と一体どうなりたいのでしょうか? 本当に話をしたいだけですか? いい大人が、それだけしか求めていないはずはありませんよね。そのことを認める必要もあると思います。自分の本当の気持ちを認識しておかないと、彼との温度差に気づけず傷つくだけに終わってしまいます。“彼軸”とはそういうことなのです。

そこで取るべき対策ですが、必要なのは、今の日常の中で楽しみを見つけることです。自分がやりたいと思っていることを、全部やるようにしましょう。おそらく、これまでやりたいことをやることに遠慮があって、控えてこられたのかもしれません。それゆえ、彼に再会して一気に思いが噴出してしまったのかもしれません。たとえば旦那さんとは平和な関係なんだけれども男女ではない、ということでしたら、彼以外に情熱を傾ける存在を見つけるのもいいでしょう。意外とシンプルですが、ジャニーズや韓流スターなどといった存在に救われている女性は少なくないものです。もちろんそれが仕事でも旅行でもかまいません。自分の生活の中で、何かハマれるものを見つけることが重要です。

今は彼に意識が向いていて余裕がないかもしれませんが、悩みの本質は自分にある、ということは心にとどめておくと良いでしょう。そうすれば熱が少し落ち着いてきたときに、「好きなことをしよう」という気持ちにきっとなれると思いますから。

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 取材・文/山本奈緒子

 

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