たとえば鬱病や神経症を患っている人は、学校や会社に行きたくても体が動かないことがあるため、それを怠け病だと思っている人は多いものです。同じようにぼうさんも、子供さんの病気のことを、頭では理解していても、どこか腑に落ちてないものを感じていますよね。だから起立性調節障害を治すことに固執してしまっている。そのように良くないものだと決めつけていることが、悩みを大きくしている一番の問題だと思われるのです。そうではなく、「これがこの子の個性だ」と思うようにしてください。
ぼうさんの子供さんの魅力や価値とは一体何でしょう? いいところがたくさんあるはずです。それをきちんと言葉にし、褒めてあげましょう。そして、「そんなアナタがお母さんは大好きだよ」と愛情表現をするようにしてください。だって、起立性調節障害を抱えている子供さんのことは嫌いですか? そんなことはないですよね。ならば、ただ抱きしめてあげればいい。子供さんに対してしてあげるべきことは、それだけです。
同時に、自分の面倒もちゃんと見る、ということをほしいと思います。ぼうさん自身が子供さんのために頑張り過ぎて、自分を犠牲にしていませんか? 子供さんが病気を抱えていることに対して、罪悪感を抱いていませんか? それは、ぼうさんの責任では決してありません。ですから自分を責めたりしないで、むしろ自分が笑顔になれることをたくさんおこなっていきましょう。 そうやって自分で自分の機嫌を良くしてあげるのです。そうすれば、自ずと子供さんにも大らかに接することができるようになると思いますよ。
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- 根本裕幸1972年生まれ。1997年より神戸メンタルサービス代表・平準司氏に師事。2000年にプロカウンセラーとしてデビュー。以来、述べ15000本以上のカウンセリングをこなす。2001年、カウンセリングサービス設立に寄与。企画、運営に従事し、2003年からは年間100本以上の講座やセミナーもこなす。2015年より独立。フリーのカウンセラー、講師、作家として活動している。『いつも自分のせいにする 罪悪感がすーっと消えてなくなる本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(大和書房)、『子どもの将来は「親」の自己肯定感で決まる』(実務教育出版)など著書多数。ブログはコチラ→https://nemotohiroyuki.jp/ この人の回答一覧を見る
- 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
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