ジュニアの楽しみは、表彰台争いだけにあらず!
リショー振付で光るユーロ男子は見逃せません

17歳にして、すでに183cmのルーク・マイヤーホーファー選手。成長期で大変だっただろうけれど、ジャンプもとても美しい。昨年の世界ジュニアでは14位に! 写真:ロイター/アフロ

でも、表彰台争いだけに着目するのではもったいない。
いまはまだ、高難度ジャンプを入れていなくても、近い将来、はたまたシニアにあがったら飛翔しそうな若き才能を密かに見つけ、羽化していく姿を期待半分、心配半分で見守るのも、ジュニアならではの楽しみです。

 

で、そんな男子選手が、ロシア以外の欧州勢にちらほら。
そのひとりが、オーストリアのルーク・マイヤーホーファー選手、17歳。13歳でジュニアグランプリシリーズデビューした時とは、まるで別人のように大人っぽく、ノーブルになったけれど、どんな曲をも自分のものにしてしまう、踊り心満載の演技は当時から。振付は、坂本花織選手や高橋大輔選手のプログラムも手がけている、いま、引っ張りだこのブノワ・リショーさんが毎シーズン手がけてきており、今シーズンのショート「ノッテ・ステラータ(星降る夜)」は、まさに“うっとり”という表現がぴったりの美しいプログラム。

よほど神経が行き届いていないとワル目立ちしてしまう長い、長い手足を、イル・ヴォーロの歌声に合わせて、ゆったりと優雅に使いながら、時にタメなんぞを作って、観る者を別世界に誘ってくれます。特に後半に繰り出すイナバウワーからの視線と腕の持っていき方は悩殺レベルの美しさ。まさに眼福なので、地上波でも中継してくれることを切に願ってます。