久しぶりの買い出しと、銀行や郵便局なんかの手続きに出かけた日。真っ先に選んだのは、ゼブラ柄のペンシルスカートに、ビタミンカラーのナイキだ。直感で手に取るアイテムは、その日の心の状態を無意識レベルで表しているのだと思う。
この日の装いは頭の中で既に完成していて、アクセサリーや小物選びにまで迷いが無かった。とにかくパンチのある、主張するアイテムだけを身に付けたかった。カラ元気でも良いから着るものだけでも思いっきりポジティブにね。この不穏な空気をぶっ飛ばしてやろうぜ!と言わんばかりに。
この日の主役のペンシルスカートは、イタリア発、 THE ANDAMANEのもの。伊勢丹新宿店のリ・スタイルを彷彿とさせる、我らがボン・マルシェデパートのバイヤーズセレクトは正面スペースに、堂々と2ラックを構える、なかなかホットなメゾンなのである。
ラップドレスとペンシルスカートの、2型のみのコレクションから出発したこの若いブランドは、めちゃくちゃパンクで尖がっている。何しろ全てのアイテムが同一素材で、アニマル柄のバリエーションのみで構成されているのだ。この潔さに、デザイナーの揺るぎない自信を感じた。
サテンの様な艶のある生地は、ストレッチ素材でしなやかに体に馴染む。一枚仕立てなのに透け感が全く無く、下着の線を拾わない。最高の素材とカッティングであるという事が、実際に身に着けてみて、更に実感出来るのがとても良い。
大きめのフレームにゴールドの小さなスタッズが埋め込まれているアイウエアは、もともとサングラスだったものを老眼鏡にあつらえたもの。気に入ったスタイルの眼鏡が見付からない時、サングラスには遊び心たっぷりのデザインが多いから、レンズだけを付け替えて普段使いにするのはとってもお勧め。
この日の足元には、ナイキの派手スニーカーを投入し、エレガントなスカートのシルエットをぶち壊す。相反するカラー、質感、テイストをミックスする事によって生まれる相乗効果はトップスの黒があってこそ効いてくる。「柄物は黒で締めると上手くいく」って、大草ディレクターも言っていたよね。
デザイナーのスピリットが、そのまま乗り移ったかの様な、勢いのあるアイテムを身に着けて、パワーを貰う。それを誰かが見て、少しでも何かを感じて、その輪が、ポジティブなバイブスが、世の中に広がって行けば良い、と思った。
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