「女性の場合も運動はもちろんいいですが、それより効果てきめんなのが“しゃべる”こと。長引く自粛生活でこのところ家族としかしゃべっていない、という人も多いのではないでしょうか。でも家族のことがストレスになっているのですから、家族以外の人としゃべらないと意味がない。友達、同僚、兄弟たちとぜひオンライン飲み会を開いてみてください。もちろん、カウンセラーに頼るのでもいい。皆さん、イライラするのは圧倒的にしゃべり足りていないんです」

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ただしこれはストレスを感じている時の対処法。子供に手をあげてしまう、攻撃的な言葉を使うなどといった兆候が見えた時は、必ずカウンセラーや医師などの専門家に相談をすることが必要です。

「友達だと『そういう時もあるよ』と慰められてしまうこともあり、それではブレーキになりません。あくまで事態を客観的に受け止め、アドバイスしてくれる人に相談することが大切です」

 


もともとの問題が、コロナ禍であぶり出されただけ

また発散するだけでなく、そもそも溜め込まないことも大切です。自粛生活では、夫がせっかく家にいるのに何もしてくれなかったり、家事をお願いしても一人でこなせないために余計にイライラしてしまう……、なんてことも多いようですが、こういったストレスを回避するための方法はあるのでしょうか。

「口であれこれ指示されると、男性はつい反発したくなってしまうもの。頼みたいことはまずマニュアルを作ると良いと思います。たとえばアイロンがけなら『1、コンセントをつなぐ』『2、50mlのラインまで水を入れる』といったように、こと細かに手順を記載する。そうすれば普段の仕事やゲームのような感覚で取り組んでくれるかもしれません。男性はマニアックだったり凝り性な人が多いですがら、一度ハマれば洗濯もクリーニング屋さんレベルにまで仕上げてくれたりするかもしれませんよ。マニュアル作りが面倒なら、代わりに動画を観せるのでもいいでしょう。今はたいがいのことはYoutubeで解説されていますから」

いつまで続くかわからない不安のなか、心がギスギスしやすくなっていると多くの人が感じていることでしょう。ですがそれは感染への不安や経済的な不安だけが原因ということではないと、根本さんはいいます。


「今あなたが感じているストレスは、もともと抱えていたものが表面化しただけ。仕事、お金、教育、夫婦関係。どれも今まで騙し騙しやってきたことが、こういう状況になっていよいよ騙しきれなくなってきたということなんです。遅かれ早かれいつかは向き合わなければならない問題なのだと思いますから、いっそこれを機に、しっかりと対策に取り組んでみてはいかがでしょうか」

・DV相談ナビ  tel. 0570-0-55210
どこに相談すればよいかわからない時は「DV相談ナビ」へ。最寄りの配偶者暴力支援センターなどの相談窓口を案内してもらえます。

・警察相談専用電話 #9110
事件や犯罪にはまだ至っていない、DVやストーカー被害を警察に相談したい場合はこちらに。電話をかけた地域を管轄する警察の相談窓口につながります。

・女性の人権ホットライン tel. 0570-070-810(全国共通)

配偶者暴力相談支援センター一覧(政府広報)

取材・文/山本奈緒子
構成/山崎 恵


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