「ダイエットこじらせさん」に少なからず見受けられるのは、日々の気分が安定していないタイプ。日によってテンションが低すぎたり、逆に高すぎたりするのです。

お天気は変えられません。他人の感情も変えることはできません。けれど、自分の感情は自らコントロール可能です。ただ、まわりの影響を受けやすい「ダイエットこじらせさん」は、これが苦手なのです。

そこで大切になってくるのが、セルフコントロールです。

感情を力ずくでポジティブに転換するのではなく、ありのままの感情の変化に寄り添いつつも、感情にさいなまれて苦しくならないように、心地良い「私」を上手に作っていく。それがセルフコントロールです。

 

自動車がどういう乗り物なのかを知らないと、自動車は運転できません。同じように、上手なセルフコントロールのための練習は、「私」という人間をよく知ることからスタートします。
「私」という人間と向き合うコツは次の3つです。
  
① どんな感情もありのままに感じてみる
② 反応は自分を知るヒントだと思う
③ 劣等感や嫉妬は、なりたい自分になるチャンスと捉える

3つのコツを手がかりに、自分自身を客観的にセルフカウンセリングします。

 

まずは、どんな感情もありのままに感じてみます。

ネガティブ感情と同じように、感情の変化は自分の本音に気づくためのチャンス。何もジャッジしないで“ありのままに”感じるのがポイントです。

なぜ“ありのままに”感じるのが大切なのでしょうか。

それは「こんなふうに思ってはいけない」とジャッジをしていると、知りたい本当の「私」の情報が出てこなくなるからです。

続いて、反応は自らを知るヒントだと捉えましょう。何かに対して「イライラした」「カッとなった」という反応が起こるとしたら、それは気持ちが動いた証拠。

こうした何らかの反応があるときこそ、「私」が心から大事にしたいと思っていることや価値観を知るチャンスです。

最後に、劣等感や嫉妬は、なりたい「私」になるチャンスと捉えてください。劣等感や嫉妬はネガティブ感情の一つであり、ネガティブ感情と同じように無意識からのメッセージを届けてくれるのです。

劣等感や嫉妬を感じるたびにただ落ち込んだり、イライラして終わったりしていたら、何も前向きな変化は起こりません。

かといって劣等感や嫉妬にフタをする必要はありません。

「どうせ私はダイエットもできないダメな人間だ」という劣等感を抱いたとしたら、ダメ人間を卒業したい、という願望を持っている証拠。

「同僚Yさんは、女子力が高くてモテるのが羨ましい」と嫉妬を感じたとしたら、女子力を高めてモテたい、という願望を抱いている証拠なのです。


自分の本当の感情に気づくことには、人生を前向きに変える力があるのです。

次回は、「ダイエットこじらせさん」のための10の食習慣について詳しくお伝えします。

「ダイエットこじらせさん」が今度こそやせる本 食事制限ゼロ、運動ゼロ』
著者:七瀬 葉 講談社 1430円(税込)

頑張っているのになかなかやせられない「ダイエットこじらせさん」の“こじらせ”を解きほぐす7つのプログラムを、実践式ワークシートに書き込みながら学べます。40年間やせられなかった女性が、3ヵ月でマイナス15kgを達成するなど、驚きのダイエットカウンセリングのノウハウが凝縮された一冊です。


構成/金澤英恵

 

第1回「優しい人ほど痩せにくい!マイナス15kgも夢じゃない究極のダイエット思考術」はこちら>>

第3回「20回20分ルールって?ダイエットこじらせさんのための10の食習慣」はこちら>>