スタイリスト、ミモレコンセプトディレクターの大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります。

はまじ初の随筆集、「蝶の粉」読みましたか?? 私、2回読んで今もまだ、余韻に包まれています。はまじの、あのはまじらしさ。明るさ、細やかさ、熱さ、やさしさ、まっすぐさ。知性とか少し臆病なところなんかが、どうやって熟成されていったかが、選ぶ言葉、行間、読後感から伝わってきます。こんなふうに、素敵な本を読んだ後の、少し気だるい心地良さ、久しぶりだなあ♡

 

本は、読む人それぞれの読み方があるから、あまり深くは書きませんが(笑)。浜島家のあったかさにくるまれて、北海道の大地で育ったはまじが、なんだかとても愛おしく思えてきて、電車で読んでいると、もう涙が1粒1粒落ちてくる。悲しい涙じゃない、柔らかな涙だから、ぶわっというより、ポロンポロンと粒になって(笑)。昼間、少し空いている電車で読み始めたもんだから、目の前に座る若い会社員の男性、ちょっと気まずそうだったな。電車で読むのは、あまりおスススメしません。

そうして読み終わった後、大草家の寡黙な父とゴッドマザーに会いたくなって。(近所に住んでいるのだけれど)孫をだしにして、意味もなく電話してみたり。もう大きくなった20歳の長女の部屋に寄ったり、私よりも背が高い15歳男子の頭をぐりぐりしたり。末っ子に至っては、椅子に座った私の膝に抱き寄せたりして。あ、夫にもハグをしてもらい――そう、なんか近くにいる「私の家族」を愛おしく思えてくるから不思議。

読んだ感想をはまじに伝えたら、「誰もジャッジしない本にしたかった」。なるほど~、本当にそうだあ! 

少女だった自分を抱きしめて。大人にしてくれた実家に感謝して。今いる家族に笑いかける。そんな1冊です。私、真面目な話。向田邦子さんみたいな作家だよ、浜島先生、と思いました♡
ただ! こんなに書いておきながら、Amazonで売り切れ(泣)。書店で探して頂くか、重版分が入荷する、11月までお待ち頂くと良いかも!

大草 直子

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