男女の未婚状況を示す指標「生涯未婚率」が年々と上がっている現在、独身者のなかには孤独に苛まれている人も少なくありません。
ただ、独身者に限らず、孤独を感じたことがない人はいないし、今も「全く感じない」なんて人は、ほぼいません。誰もが少なからず孤独を抱いているもの。だからこそ、「どうしたら孤独と付き合っていけるのか」を知っておいたほうがいいのです。
孤独を感じたときは、どんなことを考え、どんなことをしてみるといいのでしょうか。
孤独との付き合い方1:誰もが孤独であることを理解する
孤独感を抱いている人は、「私だけが独りぼっちで、寂しい」と思いがち。それが余計に孤独感を増してしまうのです。でも、独り身の人だけが孤独なわけではなく、家族がいようと、パートナーがいようと、人は誰もが孤独なものです。
むしろ独り身である以上に、傍に家族やパートナーがいるのに、心を通じ合えない状況のほうが孤独を感じてしまうこともあるもの。
例えば、何かに悩んでいても、「パートナーに迷惑をかけたくない」、もしくは、「こんなことを相談しても理解してもらえないだろう」と思っていると、話せず自分だけで抱えてしまうもの。そんなとき、人は孤独を感じるものです。
さらに、勇気を出してパートナーに相談したのに、親身になって考えてくれないと、深く傷つき、1人でいるとき以上に寂しさを感じてしまうものなのです。
ただ、現実的に、相手に対して100%共感したり、理解したりすることなどできません。またどんなに親しい間柄でも、何でも包み隠さず話せることなんて稀です。
むしろ距離が近すぎてしまうと、お互いに相手に期待するようになってしまうので、その通りにならなかったときに怒ったり、傷ついたりして、関係を壊してしまうことのほうが多いもの。だから、たとえ血のつながった親子であっても、「自分と相手は”違う人間”なのだ」と思わないと、上手く付き合っていけないところがあるのです。
結局、誰もが、他人の人生に乗っかることはできないし、自分の人生を1人で歩んでいかなくてはいけないもの。だからこそ、家族がいようが、パートナーがいようが、独身であろうが、「誰もが孤独な存在だ」といっても過言ではありません。だから、孤独から逃れようとするのではなく、一層のこと「孤独を受け止めてしまおう」と腹をくくってしまったほうがいいのです。
孤独との付き合い方2:孤独だからこその”メリット”を生かす
「孤独」と「自由」はセットです。「自由こそ、幸せに生きる上で大切なもの」といっても過言ではありません。束縛されたり、干渉されたりしないと、人は“本来の自分”でいられます。「自分らしくいられること」が、誰にとっても幸せなことであり、逆を言えば、自分らしさを失っていて幸せな人はいません。
とはいえ、誰かと一緒のときは、相手の期待に応えたくなったり、気を遣ったりしてしまうもの。だからこそ、1人でいるときにこそ、“自分らしくいられる自由”を存分に味わったほうがいいでしょう。
自由を堪能するためにも、「自分で自分を楽しませられるようになること」が大切です。それだけ自立できていることが必要なのです。
逆を言えば、誰かに楽しませてもらわないと幸せになれないような依存体質の人は、自由の素晴らしさを味わえません。いくら自由でもつまらなかったら、孤独が増すばかりですしね。
現代は、旅、外食、映画鑑賞などを1人で楽しむ人は少なくありません。なかには、遊園地、コンサートなども1人で楽しむ人もいます。
もちろん「1人で体験する」のと「誰かと一緒に体験する」場合は、楽しみ方が違います。1人の場合は、「その体験を自分の赴くままに、自由に楽しみたい」ときに最適ですし、誰かと一緒のときは、「その人と楽しい時間を過ごす」ことが、「それを体験すること」以上に目的であるほうがいいですしね。
逆を言えば、1人で体験しているときは、「あぁ、隣に誰かいれば」なんて考えないで、自分の気の向くままに楽しんだほうがいいし、誰かと一緒のときに自分の赴くままに楽しもうとしてしまうと、相手と喧嘩になってしまうこともあります。
だから、1人で楽しむときは、“1人ならではの楽しみ方”を目指すといいでしょう。
また、人目が気になってしまう人は、自由を堪能できないもの。そんな人は、「そもそも人は、そんなに他人のことを見ていないし、気にしていないこと」に気付いたほうがいいでしょう。だから、1人でいることにおどおどしないで、堂々と楽しんだほうが得ですよ。
孤独との付き合い方3:ペットを飼う
1人暮らしが寂しくて仕方ない人は、なにかペットを飼ってみるのもオススメです。家の中になにか”心を通わせられる存在”がいるだけで、孤独が癒えるものなんですよね。
動物は純粋なハートを持っていて、飼い主に惜しみない愛情をくれることも多いので、一緒にいると「1人ではない」と思えるでしょう。なかには、「人間よりも動物とのほうが、心を通じ合える」と思う人もいるくらいです。
ペットを飼うのが禁止のマンションでも、ゲージに入れて飼うなら、小鳥、小動物はOKというところもあります。例えば、体長20センチくらいの小さなセキセイインコであっても、愛情豊かで賢い生き物。人間とコミュニケーションをとってくるので、飼い始めると、だんだん家族になっていくものなんですよね。
ペットを愛しむと、自分の内側に愛が増えてきます。愛は“幸せ物質”なので、自分の内側に愛が増えれば増えるほど、人はより幸せ感を得るようになるもの。だから、ペットに愛情をたっぷり注ぐことは、ペットだけではなく、飼い主にとっても幸せなことなのです。
孤独との付き合い方4:孤独な人に手を差し伸べる
孤独を感じている人は、”自分に手を差し伸べてくれる人”ばかりを求めがち。でも、自分のほうが孤独な人たちに手を差し伸べることだってできるはずです。「求める人」から「与えられる人」になったとき、人間関係は大きく変わっていくものなんですよね。
例えば、ふと「彼女(彼)は、今頃、寂しい思いをしていないかな」と思い浮かぶ人がいたら、メールや電話をしてあげると喜ばれたり、なにか気になるボランティア活動があったら参加することで、感謝されたりするものです。
孤独を感じている人は、「自分で自分を孤独にしていること」にも気付かなくてはいけません。私たちは無人島にいるわけではないので、外に出れば、誰かしら人はいます。そういった人たちを見ていないのは、実は”自分自身”なのです。別にボランティア活動など特別なことをしなくても、日頃から、ただただ目の前にいる人たちに心を配り、思いやりのあるコミュニケーションをとっていくだけでも、孤独が癒されていくことは多いものでしょう。
孤独だからこそ、人のありがたみが分かる!
哲学者のエーリッヒ・フロムが「人間の最も強い欲求は、孤独を克服することだ」と言ったように、「孤独とどう付き合っていくのか」というのは、人間にとって普遍的なテーマです。
でも、人は孤独な存在だからこそ、誰か一緒のときは、多少煩わしいことがあっても、傍にいてくれるありがたさを感じるもの。だから、孤独も大切な経験なのです。
寂しさを感じたときは、今回紹介した4つの方法を試して、孤独と上手に付き合っていきたいものですね。
【漫画】「孤独で辛い」と訴える女性の問題
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