まもなく開局30周年を迎えるWOWOWが全12話で挑む本格社会派大作『連続ドラマW トッカイ ~不良債権特別回収部』が1月17日(日)から放映になります。本作は『しんがり』『石つぶて』に続き、ノンフィクション作家・清武英利の著書をWOWOWで映像化したドラマの第3弾。バブル経済崩壊以降の1996年、経営破綻した住宅金融専門会社(住専)の不良債権取り立てを目的とした国策会社「住宅金融債権管理機構」が設立されましたが、中でも悪質債権者の回収を任務とした不良債権特別回収部(通称・トッカイ)の奮闘は想像を絶するものでした。

このドラマで広末涼子さんが演じるのは「トッカイ」の指揮を執る主人公・柴崎朗(伊藤英明)と同じチームの紅一点・多村玲。男女雇用機会均等法が施行されてからわずか10年足らずという男性と肩を並べて働くことが非常に困難だった時代に、仕事に情熱を注ぐ女性を見事に演じています。昨年7月に40歳の誕生日を迎えた広末さんはご自身も【女優】という職業にとても熱い情熱を持っておられる方。家庭との両立を図りながら、常に新しい挑戦を欠かさない広末さんに、『トッカイ』の撮影の舞台裏や女優業と育児の両立の難しさなどについて伺いました。

 


女性の産休・育休を経ての復帰や昇進にはまだまだ課題がある


広末涼子さん(以下、広末):私が演じた「多村玲」は、自分が元居た会社を失った人間。ある意味社会的には負け犬というか、捨てられたというか、そういう立場にある女性です。そういった“居場所を失った人たち”が集まった『トッカイ』チームに参加するなかで、葛藤も苦悩も抱えつつ、それでも“女性として”戦っていく。本当に芯の強い、聡明な女性だと感じました。私たちがいま生きている時代でもまだまだ大変な部分がありますが、それよりももうひと世代前は女性が仕事をしながら生きるのはとても難しかったと思います。

広末さんは撮影に入るにあたって、実際に当時の『トッカイ』を取材したドキュメンタリー映像を観たそうです。

広末:衝撃的でした。スーツを着た男性ばかりがいる、ちょっと寒々しく閑散と見えるような背景の中に女性がいることが想像できないというか……。そんな空気感だったんです。私はあくまでもドラマの中で役を演じているだけですが、あの雰囲気を考えると玲さんが背負っているものの大きさをしっかり感じながら演じたいと思いました。

一円も残らず回収する――という至上命題と共に『トッカイ』チームが背負わされた不良債権は6兆7800億円という想像を絶する額です。「そんな金額が実際に動いていたと想像できますか?」という記者からの質問に「まったくできませんでした(笑)」と。

広末:実際にその時代を体験されたスタッフや役者の方々にお聞きすると「本当にそんな時代だったんだよ」と多くの方がおっしゃっていました。私にはまったく想像がつかなくて。大金を動かしている方は、普段の自分のお財布事情と仕事で扱う金額との価値観をどうやって共存させているのだろうと、不思議に思います(笑)。

改めて、最初に脚本を読まれたときの第一印象について伺ってみました。

広末:第一印象は「どうしよう。全然わかんない!」でした。最初にまとめて4話までの台本をいただいたのですが、単純に言葉が難しくて聞きなれないものばかり。しかも台詞に漢字が多くて(笑)。「私、これを理解できるんだろうか?」と思ったのが正直な感想でした。そう思っていたときにキャスティング一覧をいただき、パーっと視界が開けました。役者さんのお顔を役名と照らし合わせて読んでいくと、「この方とこの方がぶつかり合うんだ」「この方が言うこの台詞は面白いかも」「どうやって演技されるんだろう」と想像が膨らんで、あっという間に引き込まれていきました。実際にこの時代を経験された方や似たようなお仕事をされている方はすんなりと世界観に入れると思いますが、まったく接点のない方々にもより理解を深めていただくために、役者たちの表情や熱量がより重要になると思いました。

だからこそ、「それを演じる私たちは十二分に理解を深めないとダメなんです」と、広末さんは続けました。

広末:言葉をしっかり身体に染み込ませた状態で台詞を話すことが必要でした。あまりに聞きなれない言葉ばかりで最初は戸惑いました。11話、最終話と読み進めるうちに涙が止まらなくなってしまい……。本当に素敵な脚本だったので、皆さんに観ていただくのが楽しみでたまりません。

イヤリング ¥13000/ラ・キアーヴェ(ドレスアンレーヴ)

1996年当時は男性社会の中で女性が肩を並べて働くのが、とても困難な時代。『多村玲』を演じることで“その時代を体験”された広末さんが、感じたことは何だったのでしょうか。

広末:『多村玲』は単に女性というだけでなく、正しいことを公に発言する姿勢や、それを行うことで誰かを否定することになるという高いハードルを恐れずに進んでいける人物です。だからこそ、男性の中でも引け目を感じることなく仕事ができるのだと思います。でも当時の会社の中で女性がそういう姿勢を取ったら受け入れてもらえるのか……まだまだ難しい部分だと思います。『社会やシステム、組織をこれからもっと変えていかないといけない』という大きなテーマとして持って演じていけたらと思いました。もちろん、少しずつ時代は変わってきていて、女性が活躍できる場所は随分と増えていると思いますが、産休・育休、それを経ての復帰という流れ、昇進などは、まだまだよりよい解決策に向かって取り組むべきテーマなのかもしれません。

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