高橋一生さんが日本を代表する演出家・野田秀樹さんの舞台『フェイクスピア』に出演することになりました。
2020年、高橋さんはコロナ禍で千秋楽を迎える前に休止を余儀なくされた『天保十二年のシェイクスピア』で主演し、演劇界の権威ある賞・菊田一夫賞を受賞。
今回は満を持してNODA・MAP作品に挑みます。

野田さんと高橋さん、実は、17年前に大河ドラマ『新選組!』(2004年)で共演した仲。そのときの野田さんの演技が、高橋さんのその後の俳優人生に大きな影響を与えたそうです。
野田さんの書くセリフと俳優たちの身体表現によってイマジネーションが豊かに広がっていくNODA・MAPで、高橋さんはどんな演技を見せてくれるでしょうか?記念すべき初対談です。

 

高橋一生(右):1980年、東京都生まれ。映画、ドラマ、舞台など幅広く活躍する。近年の出演作に映画『スパイの妻』『ロマンスドール』、舞台『天保十二年のシェイクスピア』『レディエント・バーミン』などがある。現在、ドラマ『天国と地獄〜サイコな2人〜』(TBS系)に出演中。

野田秀樹(左):1955年、長崎県生まれ。東京芸術劇場芸術監督、多摩美術大学教授。東京大学在学中に劇団夢の遊眠社を結成、92年解散後、ロンドン留学。帰国後、93年にNODA・MAP設立。主な作品に、『キル』『赤鬼』『パンドラの鐘』『THE BEE』『ザ・キャラクター』『贋作 桜の森の満開の下』などがある。

 

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野田秀樹さん(以下敬称略):高橋一生さんのことは、見た目がシュッとしているだけではなく、内面が非常にきれいな、ウソのない役者さんだなあと思っていました。これまで何回か出演のオファーをしていて、今回、ようやくタイミングが合いました。
いま、とても大ブレイク中なんでしょう? 僕は、普段、テレビを見ないほうだから、ブレイクしているということを知らなくて(笑)。

高橋一生さん(以下敬称略):ねえ……いつブレイクスルーするんでしょうか……(とぼけたように笑う)。

野田:高橋さんがまだ20代のとき、NODA・MAPのワークショップに参加してもらったことがあったよね。
※ワークショップとは、参加者が様々な試行錯誤を通して表現を発見していく体験型学習のようなもの。NODA・MAPのワークショップはそれがきっかけで公演に出演できることもあるので多くの俳優が参加したいと思っている。

高橋:僕が、野田さんとはじめてご一緒したのは、三谷幸喜さんが脚本を書いた大河ドラマ『新撰組!』(2004年)でした。

野田:そうか。そのあとにワークショップに呼んだのかな。ずいぶん前のことなので前後関係が曖昧になっているけれど。


高橋:『新選組!』で野田さんが勝海舟役でゲスト出演されたとき、いい意味で、すごくずるいお芝居をされたことをいまだに強烈に覚えているんです。
僕はそのとき、松平定敬という役を演じていて、僕がかなり熱意をこめて言ったセリフを、野田さんは闘牛士のようにスルーしたんです。

野田:それはあくまでも役作りだから(笑)。勝海舟がそういう人だと解釈して演じただけであって、僕じゃないからね。

高橋:もちろんそうです(笑)。「ずるい」と形容すると語弊がありそうですが、愚痴っているわけではけっしてなくて、そのときの経験が、僕のその後のお芝居に多分に影響していて。
野田さんのクールさと僕の熱さで、柔と剛の世界ができあがったのがおもしろかったんです。それこそが、僕にとってのお芝居の本質のような気がしました。ときには剛に剛で対応していくことが良い場合もあるでしょうけれど……。
そのときのことが印象深くて、今回、野田さんからお声をかけていただいたとき、またご一緒できることを喜びに感じました。

 

――今回も野田さんと対峙するような芝居はありそうですか。

野田:あるとは思うけれど、今回の高橋さんは橋爪功さんと一緒のシーンが多くなるかと思います。

高橋:橋爪さんと共演するのははじめてなので楽しみです。宣伝ビジュアル撮影でお会いしたとき、まったくの「はじめまして」だったんです。橋爪さんはどんな方ですか?

野田:くせものですよ。というか、今回の出演者はくせものだらけだからね。橋爪さんを筆頭に、白石加代子さん、川平慈英さん、大倉孝二さん、村岡希美さん、前田敦子さん……ほぼ全部くせものだね、でもとりわけ橋爪さんと白石さんは日本を代表するくせものではないでしょうか(笑)。

高橋:くせものだらけっていいですね。野田さんがテレビをあまり見ないのと同じで、僕もテレビをあまり見ないし、舞台も観に行かないほうなんです。
そのため、共演することによってしか、俳優の方を知る機会がなくて。
今回の舞台のためのワークショップに参加したとき、はじめての方と一緒に動くことがすごく楽しかったです。そのときは橋爪さんだけいらしてなかったので、橋爪さんがどれだけくせものなのか、これから知ることになります。

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