③《トイレ》ドアノブなど手が触れる場所を、トイレットペーパーでサッと拭く
トイレには、ドアノブ、便器のフタ、ペーパーホルダーなど手で触る箇所がたくさんあります。ウイルスは手から感染するので、トイレを使うたびにそういった箇所をトイレットペーパーで拭く始末習慣をつけましょう。一方向に拭いたら、そのまま流してしまえばOKです。
除菌を行う場合、手の皮脂汚れの上から消毒をしても、効果が減ってしまいます。そういう汚れが多そうな場所は、まず重曹水で汚れを落としてから、消毒用エタノールで拭いてください。
④《テーブル、床など全般》「まず除菌」はNG。感染予防は先に汚れ除去から
ウイルスの家庭内感染を防ぐにはコツがあります。すぐアルコール消毒液を吹きつけたり、除菌シートでこするのはNGです。ウイルスのほとんどは、ホコリや汚れに付着しているので、まずホコリや汚れを取らないと、ウイルス量は減らせません。
ウイルスを減らすには、使ったら乾いた汚れは一方向で乾拭きすることが大切です。肉眼で見える汚れがあれば、洗剤をつけたクロスやペーパーでトントンと叩いて落とし、最後にサッと乾拭きで仕上げます。除菌するなら、その後にしましょう。
感染症から命を守るには、みんなで取り組む総力戦で
感染対策は誰か1人だけが一生懸命行っても、効果に限界があります。家族でも職場のメンバーでも、「自分1人くらいやらなくても」という考えはなくして、全員が「正しい方法」で取り組む「総力戦」が欠かせません。
たとえば汚れた部分を拭き取る際、誰がどの部分によく触れているのかをお互いに把握し、どの場所を掃除したのかの情報を共有しておきましょう。そうすれば、同じ場所を何度も掃除したり、掃除が済んだかどうかわからないグレーゾーンが出てくることを防げます。
菌やウイルスを完全に遮断しようとするよりも、小さな対策をみんなでこまめに行い、その量を減らしていくこと。これが一番効果の高い感染対策です。
著者プロフィール
松本忠男さん:フロレンス・ナイチンゲールの著書『看護覚え書』に共感し、30 年以上にわたり、病院の環境衛生に携わる。東京ディズニーランド開園時の正社員、(株)ダスキンヘルスケアを経て、亀田総合病院と同系列の会社に転職し、清掃管理者として約10年間、現場のマネジメントや営業に従事。1997年、医療関連サービスのトータルマネジメントを事業目的として、(株)プラナを設立。亀田総合病院では100人近く、横浜市立市民病院では約40 人の清掃スタッフを指導・育成し、現場で体得したコツやノウハウを、多くの医療施設や清掃会社に発信する。『健康になりたければ家の掃除を変えなさい』(扶桑社)など著書多数。
【Facebookページ】https://www.facebook.com/plana1997
【HP】https://mitsuyokita1939.wixsite.com/slowfastfood
『病院清掃30年のプロが教える 掃除を減らして健康になる「始末の習慣」』
著者:松本忠男 協力:菱沼まなみ、武田真也 廣済堂出版 1430円(税込)
衛生環境を整えるプロが、健康に暮らすための掃除テクニックを伝授。見た目がキレイな部屋ではなく、清潔な部屋を目指すお掃除ノウハウは、基本を押さえれば暮らしの中に取り入れやすいものばかり。おうち時間が再び増えた今、家族みんなで共有したい一冊です。
構成/金澤英恵
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