加谷:ただし、「財布を1つ」にして一元管理しようとはいっても、物理的にお金を1ヵ所にまとめること自体が目的ではありません。要は、互いの収支を把握できていればいいんです。収支に関しては、互いの基本給をオープンにしておくのに加え、「今月は忙しかったから、残業代が結構ついたよ」とか、支出については「歓送迎会が重なったから出費がかさんじゃってね」など、日常的にお金の話ができていれば、それでうまく家計を回せると思います。
参考:子どもがいれば教育費は1人1000万円以上かかる!夫婦の財布は一元管理でムダをなくそう
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【家庭のお金のギモン②】
「おこづかい制」にしたほうがいい?
西園寺:その場合、おこづかいの決め方も、これまでと変わってくるんでしょうか?
加谷:おこづかい? ああ、夫が生活費を妻に全部渡したうえで、昼食代やら何やらを月額いくらというかたちで支給される「おこづかい」のことですね。いまだに「おこづかい」をもらっている人が結構いるのは知っていますが、実はこの発想は非常にまずいんですよ。この言葉の裏には、財布を握るのは妻という固定観念があるわけです。給料は奥さんにいったん渡して、家計のやりくりもすべてお任せ。そのうえで、自分が自由に使える分をそこから少しもらうという仕組みですよね。
夫婦は家庭の「共同経営者」だとすれば、一方が「おこづかいをもらう」という発想はそもそもおかしいと思いませんか? 子どもじゃないんですから。
おこづかい制の家庭だと、よく夫が「こづかいが少ない」と言って嘆いているわけです。それこそ、節約のために、昼食は毎日牛丼屋ばかりとか、涙ぐましい努力をしていたりする。
でも、身体という資本を維持するために栄養を考えて外食したり、職場のコミュニケーションの潤滑油として、たまには部下と飲みに行ったり、スキルアップのために本を買ったりといった出費は、家庭を運営するための「必要経費」です。
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