まったく興味がない人、知らない人にどう伝えるか


〔ミモレ編集室〕の「編集ライティング講座」で、「好きなものを紹介するときに、まったく興味のない人や知らない人にどのくらいまで説明したらいいか悩みます」「説明過多になってしまう」というご質問をいただきました。

ブランドのタイアップコンテンツやオウンドメディアの記事を制作する際にも、「うちのブランドや商品を知らない人にも興味をもってもらえるように」というオーダーをいただくことがあります。

私は正直に言うと、WEB記事においては「まったく興味のない人や知らない人は想定しなくていい」と思っています。そのジャンルに興味があったり、もうすでに買う気7割で調べてるとか、あるいはすでに買った人、ファンな人が読んで「いいこと書いてあるな」「私もそこが好き」って思ってもらうところを目指したいと思っているのです。

「私もそう思ってた!」を言語化する【WEB文章術】_img2
 

WEBの記事は、雑誌と違ってセレンディピティ(偶然の出会い)があんまりないんですね。パラパラとめくっていたら、興味なかったけど偶然目に入って……みたいなことがWEBだと起こりにくい。バナーやタイトルをクリックしてページを開くか、検索してたどり着くものゆえ、記事を開いている時点でかなり能動的です。

 

紹介されているブランドや人、ジャンル、テーマに興味のある人しかわざわざ開いて読んではくれない。だったら、興味のない人を説得しようと考えるより、好きな人が読んで「その通り! そうなのよ〜」と思ってもらえることを目指して、丁寧に言葉をつむぎたい、と考えています。

具体的にどういうことかと言うと、例えば映画を紹介するとき、これから見る人におすすめする記事であっても、見終わった人が読むことを意識して書くのです。ざっくりした概要やあらすじ、監督紹介などは検索すればすぐに出てくるし、見終わった人には物足りない。印象的なシーンを1箇所、2箇所、詳細に描写するなど、「あのシーン、あのセリフすごかったよね」と見た人と共有できるポイントを作ります。

このWEB文章術の連載も、知らないことを教えますという体裁をとっているけど、きっとすでにやっている人が「そうなのよ」「それな」と思って読んでくださってるのかなと思っています。


今日のBata’s Point
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イラスト/shutterstock、川端里恵
この記事は2021年9月7日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。

 

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