スタイリスト、ミモレコンセプトディレクターの大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります。

セットアップ。スーチングに限らず、セットで着てパーフェクトなシルエット、バランスのことを指します(私的に。笑)。昨年から価値観や常識がドラスティックに変容し、私たちの「装う」意味やルールも変わりました。

 

スーツを着る機会は少なくなり、思い切ったドレスアップをする機会は全くなくなりました。自宅や自宅周りのスタイルに心やバジェットを掛けたタイミングもありましたが、今また揺り戻しが来ています(私的に。笑)。揺り戻し、とは、楽、イージーと言った「服を選ぶ基準」から、背筋がすっと伸びるようなきちんと感や緊張感を楽しむ意識を懐かしく思うようになった、ということです。

秋物で最初に買ったのも、実はスーツ。ノーカラーのジャケットと、美シルエットのパンツ。今、パンツはお直しに出しているので、また戻ってきたらご紹介しますね。

ここまできっちりしていなくても、この写真のような、ロングシャツとイージーパンツの組み合わせだって、セットアップ。スーツです。風をはらむような流れるシルエットに、ウエストがドローストリングス仕様の太目のパンツ。スニーカーを合わせても良いし、季節が進んだらブーツだって! この「靴を選ばない」というのは、今の時代のフレキシブルな予定に合うのかもしれませんね。

キャラメル色の甘い色、セットで着ると、より甘さが増して、ますます今の気持ちでフィットします。この秋冬、単品でセットで、たくさん着ようっと。
 

大草 直子

1枚でも着られますが、この色や素材を大きく使う贅沢、を楽しみます。
合わせたバッグはずいぶん前のボッテガ・ヴェネタ。新しい服を真新しく見せないために、あえてmy vintageを持ったりします。


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