選別するときは中身は読まないで

準備が整ったら、早速ときめきを感じる本を選んでいきましょう。このときにポイントになるのが、1冊1冊手に取って、触った瞬間のときめきを感じながら捨てるか残すかを決めていくこと。でも、中身を読みながら選別していくのは、判断基準が鈍って片づけが進まなくなるのでお勧めしないとこんまりさんは言います。

 

また、本の片づけでありがちなのが、「いつかまた読むかもしれない」と思って捨てられないパターン。でもよく考えてみて。すでに何度も読み返しているお気に入りの本であれば捨てる必要はありませんが、ときめかない本を持っていても、きっと読み返すことはありませんよね? そもそも、読み返すことのない本というのは、そのお役目をしっかり終えてくれているのです。そう考えて、ときめく本だけを選んでいってみてください。するとお気に入りの本だけが並ぶ、見ているだけで幸せな気持ちになる本棚が完成するはずです。

 


未読の本は読み時を逃している


ここで1つ。もっと捨てにくい本というのが、買ってはみたものの、これまで一度も読んでいない未読の本。こんまりさんは「いつか読むかも」の「いつか」は絶対に来ないと断言します。それは「その本を読むタイミング=読み時」を逃してしまっているから。書店員さんが書いたポップに惹かれて手に取った本、そのとき欲している情報が載っているから購入した本、周りに勧められて買った本もあるでしょう。でもそれらはすべて、「その時」読みたいから買っただけ。読み時を過ぎてしまった本というのは実はお役目を終えていて、その先読んでもワクワクしたり、ときめきを感じることはないでしょう。ですから躊躇することなく「今までありがとう」という感謝の気持ちを伝え、潔く手放してしまいましょう。

 


手放すことで新たな情報が入ってくる?


本を整理するメリットの1つに、本棚がスッキリとすると同時に、頭の中の思考も整理されるということも挙げられます。それによって新たな情報も入りやすくなるので、未来を考えていきたい人にはぜひ実践していただきたいですね。

どうしても本を手放せないという人は、特に心に残った一節をスマホやパソコンに書き留め、心置きなく手放すといういうのも1つの方法です。

次回は、意外と放置しちがちな書類について、片づけ法を紹介していきます。

第1回:【新連載・こんまり®流片づけ術】「片づけには『恋愛に片をつける』効果もある」>>

第2回:こんまり®︎メソッド流 “片づけの5つのステップ”>>

第3回:週末に実践!こんまり®︎メソッド片づけの魔法~衣類編~>>

第4回:週末に実践!こんまり®︎メソッド片づけの魔法~本編~>>

第5回:週末に実践!こんまり®︎メソッド片づけの魔法~書類編~>>

第6回:週末に実践!こんまり®︎メソッド片づけの魔法~小物編~>>

第7回:週末に実践!こんまり®︎メソッド片づけの魔法~思い出の品編~>>

 


近藤 麻理恵さん

 片づけコンサルタント。5歳から『ESSE』などの主婦雑誌を愛読。中学生のときに本格的に片づけの研究を始め、大学在学中の19歳の時、コンサルティング業務を開始、独自の片づけ法「こんまり®メソッド」を編み出す。2010年に出版した初めての著書『人生がときめく片づけの魔法』が世界40カ国以上で翻訳出版され、シリーズ累計1300万部を超える世界的大ベストセラーに。「KONDO」という言葉がアメリカでは「片づける」という意味として使われるようになるなど、社会現象となる。2015年、米『TIME』誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選出され、活躍の場を海外に広げている。2019年よりNetflixにてスタートした冠番組『KonMari—人生がときめく片づけの魔法—』が190カ国で放映されている。 現在は、こんまり®メソッドを使った片づけレッスンを提供する「こんまり®流片づけコンサルタント」を育成し、日本を含め世界60カ国以上で約850名が活躍中。


構成・文/井手朋子
 
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