コロナ禍で自宅にいることが増え、居住空間と向き合う時間が増えました。部屋が片づかなくて落ち着かないけれど、取りかかる心の余裕もない……そう思いつつ毎日を過ごしている方、さらにこの閉塞的な状況にイライラが増している方も、少なからずいるのではないでしょうか。ですがこの“イライラ”の原因、部屋を片づけることで前向きに解決できるとしたら……? 自分で今日から始められる「片づけ」、誰でも日々行なっている「片づけ」ですが、実は、意識的に行う「片づけ」には人生を上向きにするメリットがあるんです。

そんな「片づけで人生が変わる経験」を提供している
こんまり”こと近藤麻理恵さんのメソッドを学べる「片づけの学校」より、人生を上向きにする片づけ法をミモレで数回にわたってご紹介します。


【こんまり®︎流片づけ法】
片づけとは、人生の問題に「片をつける」こと


片づけの目的は、部屋をきれいに整えることだけではありません。片づけの本当の目的は、片づいた部屋で人生の問題に「片をつける」こと。片づけ=モノを少なくする、ということとは別に、片づけは思考を整理し、大事なものを見つける手段でもあるのです。

 

必要以上のモノを持っていると、自由を奪われる。そんなことを聞いたことはありませんか? 必要以上のモノが周りに溢れていると、それによってエネルギーも時間も奪われてしまう、と。こう聞くと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、実際片づけを終えた方たちから、こんまりさんのもとに毎日のようにこんな声が寄せられているといいます。

「子どもの頃からの夢に気づき、会社を辞めて起業しました」

「ずっと迷っていた離婚にようやく踏み出しました」

「自分に自信を持てるようになったら、自然と心が穏やかになりました」

そう。片づけを終えたことで、皆さんとても前向きに、エネルギッシュに変わっていっているのです。

 

こんまりさんは、片づけできずに悩んでいる方に「片づけてどんな部屋にしたいですか?」と質問するそうですが、なかでも「結婚できる部屋にしたい」という回答が多いのだそう。実際片づけをすることで、結果的に片づけ下手を克服し、自信がついて恋に積極的になる方もいれば、部屋が片づいたことで惚れ直されてプロポーズを受ける人もいるのだとか。ある体験者は「片づけを通じて自分の気持ちを整理できたことで、結婚に結びついた」と報告してくれたといいます。どうやら片づけには「恋愛に片をつける」という効果もあるようです。

さらに興味深いのが、付き合っているパートナーとの関係にモヤモヤしている人は、皆さん共通して「未処理の書類が多い」という特徴があること。いつか目を通そうと思っている保険の書類や雑誌の切り抜き、クレジットカードの解約届など。これらをすべて片づけることで、パートナーとのモヤモヤした関係も許せなくなり、距離を置いた方もいると言います。
 

 

片づけによってマインドが変わる

 

実はこんまりさんも、片づけによって人生が変わった1人です。中学生の時に、捨てることの大切さを説いた本を読み、感銘を受けた彼女は大掛かりな片づけを始めます。そうして出てきたのが、ゴミ袋8袋以上もの大量のゴミ。こんまりさんは「今までどうしてこんなにいらないモノをためこんできたのだろう」と呆然としたといいます。それから真剣にモノと向き合うようになり、同時に人生にも真剣に向き合い始めました。

 

片づけをすることで、自分の人生においても何を残すのか、手放すのか、をはっきりと選べるようになる。こんまりさんはそう断言します。

こんまり®メソッドでは、「触った瞬間にときめきを感じるかどうかで捨てるか否かを判断する」ということが盛んに言われていますが、モノに触った時のときめきを感じる力が強くなると、人生における大切なことも自然と選べるようになるというのです。

片づけというのは、実はマインドが9割。片づけによって自分の中にあるマインドそのものが変わるため、それが人生にも反映される。これってすごく前向きなことですよね?


片づけには「日常の片づけ」と「祭りの片づけ」がある

 

ではここで、そもそも「片づけとは?」ということに少し触れてみましょう。読者の皆さんの中には、毎日少しずつ片づけをしようとしている方も多いと思います。でもそれは残念ながら、リバウンドを招いてしまう片づけの間違った習慣なのです。

片づけには「日常の片づけ」と「祭りの片づけ」の2種類があるとこんまりさんは言います。毎日少しずつ行う片づけは「日常の片づけ」。使ったモノを元の場所に戻すことがこれにあたります。一方「祭りの片づけ」は、そのネーミングの通り日々行うものではありません。一生に一度、理想の暮らしを送るために行うのが祭りの片づけです。

短期間で一気に、しかも完璧に祭りの片づけを終わらせることで、根底から意識が変わるほどの劇的な変化を体験します。この体験こそが、人生に影響を与えるマインドに大きく関わってくるのです。

仮に自分は片づけが苦手だと思っていたとしても、片づけ祭りで劇的に変わった部屋を見た瞬間に「自分もやればできるんだ!」という意識に置き換わるでしょう。一度でも完璧に片づいた状態を体験してしまうと、以前の散らかった状態には戻れなくなる。それが人間というものです。

そして片づけ祭りを終えて完璧に片づいた部屋で過ごしていると、それまで目をそらしていた自分の気持ちや問題に向き合わざるを得なくなる──。でもこれはとっても幸せなこと。だってその部屋には、自分が選んだたくさんのときめくモノたち溢れ返っていて、その1つ1つのモノが生き方や理想の暮らしを教えてくれるのですから。

これこそが、片づけが生むハッピーな結末なのです。

次回からは、「こんまり®︎流片づけ法」に沿って、具体的にどのように片づけを進めれば良いのか、そのノウハウをお伝えしていきます。


第2回:【こんまり®︎流片づけ術】 人生が変わる!「挫折しない片づけ」5つのステップとは?>>
第3回:【こんまり®流・片づけ術】「着なくなった服を部屋着に降格」を絶対にしてはいけない理由とは?>>
第4回:【こんまり®流・片づけ術】「本棚がスッキリすると思考も整理される」本の整理術>>
第5回:週末に実践!こんまり®メソッド片づけの魔法~書類編~
第6回:週末に実践!こんまり®メソッド片づけの魔法~小物編~
第7回:週末に実践!こんまり®メソッド片づけの魔法~思い出の品編~

 

近藤 麻理恵さん

片づけコンサルタント。5歳から『ESSE』などの主婦雑誌を愛読。中学生のときに本格的に片づけの研究を始め、大学在学中の19歳の時、コンサルティング業務を開始、独自の片づけ法「こんまり®メソッド」を編み出す。2010年に出版した初めての著書『人生がときめく片づけの魔法』が世界40カ国以上で翻訳出版され、シリーズ累計1300万部を超える世界的大ベストセラーに。「KONDO」という言葉がアメリカでは「片づける」という意味として使われるようになるなど、社会現象となる。2015年、米『TIME』誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選出され、活躍の場を海外に広げている。2019年よりNetflixにてスタートした冠番組『KonMari—人生がときめく片づけの魔法—』が190カ国で放映されている。 現在は、こんまり®メソッドを使った片づけレッスンを提供する「こんまり®流片づけコンサルタント」を育成し、日本を含め世界50カ国以上で約750名が活躍中。


構成・文/井手朋子