マンガを電子書籍で読む人は年々増えています。好きな作品をいつでも読めるという手軽さはもちろんのこと、絶版になってしまった作品の電子書籍化も増えているので、もう一度読みたかった作品に再会できる良さもあります。一方で、名作にも関わらず電子書籍化されていない作品はまだまだたくさんあります。1969年のデビュー以来、『アラベスク』『日出処の天子』『レベレーション(啓示)』など、さまざまな名作を発表し続けている山岸凉子先生の作品群もその一つ。かねてから電子書籍化が待ち望まれていましたが、とうとうその時が来たのです!
10月4日より、いよいよ山岸凉子先生の名作群の電子書籍が発売になりました。第一弾配信作品は計8作品。講談社からは『レベレーション(啓示)』(全6巻)、『青青の時代』(全4巻)、『ツタンカーメン』(全4巻)、『ヤマトタケル』(全1巻)、『押し入れ』(全1巻)、『言霊』(全1巻)、KADOKAWAからは『日出処の天子〔完全版〕』(全7巻)、『アラベスク〔完全版〕』(1・2部)(全4巻)が発売されます。12月下旬には第二弾として、KADOKAWAから『テレプシコーラ/舞姫』(1・2部)(全15巻)、『牧神の午後』(全1巻)『ヴィリ』(全1巻)、『ケサラン・パサラン』(全2巻)が発売予定です。
山岸凉子先生が、電子書籍化に当たってコメントを発表しました。
「本当は紙を愛するアナログな私。しかしハタと気づきました。『漫画は生モノ!』。今電子化しなくてどうする。作品の賞味期限は迫っておりました。
まだ美味しく読んでいただけますでしょうか?」
賞味期限どころか、発表当初から色褪せることのない作品のエネルギーをスマートフォンやタブレット端末からひしひしと感じられること間違いなし!
今回、ピックアップしておすすめしたいのは、2014年からモーニングで連載開始し、昨年10月に完結したばかりの「レベレーション(啓示)」。主人公は15世紀のフランスに現れた、救国の英雄ジャンヌ・ダルク。13歳の時に神の声を聞き、その後、「フランス王領へ行き王を助けよ」という天啓を受けます。その言葉に従って故郷を旅立ち、戦いに身を投じるのですが、最期は魔女として火刑に処されて19歳でこの世を去ります。母国のために生涯を捧げた少女が受けた神の声とは何だったのか、正義とは何かを問う作品です。
今回、山岸凉子先生の作品電子書籍化を記念して、特別に『レベレーション(啓示)』冒頭の試し読みをご用意! 山岸涼子先生の作品世界に浸ってみて。
◆今回、電子書籍化された、講談社刊の作品
山岸凉子が描く古代日本の世界! 南の島で正気を失った祖母(ばばさま)の面倒を見る少女。厄介者として虐待されていた二人だが、ある日、海の向こうから一人の男が現れて……。海の向こうの国とは? 少女とばばさまの運命は? 古代日本史最大のミステリー「邪馬台国」「卑弥呼」に挑んだ傑作歴史物語!
梅原猛氏の原作をもとに巨匠、山岸凉子が描く英雄ヤマトタケル。小碓命(のちのヤマトタケル)は、父の命に従い、苦難の道を歩むことに。熊襲討伐、蝦夷との戦い。そして弟橘姫との恋。300ページを超える大ボリュームに加え、カラーイラストも収録。
「我は汝を王と成さしめる者なり」。1903年エジプト。封印されたファラオの墓発掘に挑むハワード・カーターはテントの中で枕元に立つ金のサンダルを履いた男から不思議な言葉をかけられた。彼の人生をかけた挑戦が、始まりを告げる。ツタンカーメンの王墓発掘を描く冒険歴史ミステリー。
押し入れのふすまがいつも少しだけ開いている、その理由は……? 恐怖が背筋を這いのぼる衝撃の4編!
『テレプシコーラ/舞姫』に続く珠玉のバレエ作品! バレリーナを目指す16歳の澄(さやか)は「本番に弱い」というメンタルを克服するための術を考え始め、彼女は迷走する。
『レベレーション(啓示)』の無料公開をぜひチェック!
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『レベレーション(啓示)』
ジャンヌ・ダルクを描いた最新連載作品。「私は解放される。疑ってはならない。信じています」魔女の罪を被せられ、処刑を宣告されたジャンヌ・ダルク。刑場に連行されながら彼女は、運命を変えた13歳の「あの日」のことを思い出していた。その時、彼女は何を聞き、何を見たのか?
プロフィール
山岸凉子
北海道札幌市生まれ。1969年、漫画家デビュー。1983年『日出処の天子』で第7回講談社賞を受賞。2007年、『テレプシコーラ/舞姫』第1部全10巻、第2部全5巻で、第11回手塚治文化賞マンガ大賞受賞。最新連載作は『レベレーション(啓示)』。