家族との関係に悩んでいる人は、少なくありません。ホームドラマに出てくるような幸せな関係だけでなく、相性の合わない親子も現実的にいます。
本来は大切な存在であり、できることなら仲良くしていたい家族といい関係を築くために大切なことは何でしょうか。


家族といい関係を築くために大切なこと1:家族間での「自分の役割」を果たす

 

家族というのは、ある意味、この社会を共に生きていくための“チーム”でもあります。家族が「この人には、この役割を果たしてほしい」と望んでいることをきちんとやっていないと、家庭不和になりやすいでしょう。
とはいえ家族のルールは家庭によって違ってくるので、別にお父さんが専業主夫で、お母さんがお金を稼ぐことを担当しても問題ないですし、子供が忙しい両親に代わって家事をやってもいいもの。家族間で、「この人にはこれをやってほしい」というものと「自分がやりたい(やってもいい)」というものが一致していて、それぞれが自分の役割を果たせていたら、問題は起こりにくいところがあるのです。

 

ただ、家族間でそういった役割については「暗黙の了解」で、きちんと話し合いをしないことは少なくないので、実際は、家族でそれぞれ認識している役割にズレがあったり、家族が求めている役割を相手がやりたくなかったりすることもあります。
例えば、ある共稼ぎの夫婦の場合は、妻は「もう少し夫に家事をやってほしい(夫には、私と同じくらい、家事をやる役割があるのに、それを果たしていない)」と思っているのに対し、夫のほうは、「充分なほど家事を手伝っている(自分の役割を果たしている)」と考えていて、ズレが生じてしまっているとか。
だから、家族間でよく話し合ったほうがいいのです。そのときは、「一般的な家庭は、こうあるべきだから」というルールを押し付けずに、「うちの家族のルールは、どうするのか」を考えたほうがいいでしょう。

これは主に父親(夫)と母親(妻)に当てはまる話ではありますが、ある意味、子供にも言えることかもしれません。基本は、子供がやりたいことをやらせてあげられることはベストですが、それが可能な環境の家庭ばかりではありません。
親によっては「(生活の不安を抱かせない代わりに、)子供にはしっかり勉強をして、いい大学に行って、いい就職をしてほしい」という人もいれば、「勉強はほどほどでもいいから、家事を手伝ってほしい」「アルバイトができるようになったら、生活費を補充してほしい」という人もいるでしょう。
このときも、「親が望んでいる子供の役割」と「子供がやりたいこと(やってもいいこと)」が一致していないと、不和が起こりがち。それで親が子供に「どうしてあなたは勉強をしないの!」と怒ったり、「あなたは家のことを全く手伝ってくれない!」と文句を言ったりすると、子供にとっては一方的に“やりたくないことを押し付けられている感”を抱くものです。
その場合は、きちんと話し合って、「親が子供に望んでいること」と「子供がやりたいこと(やってもいいこと)」の折り合いをつけていったほうがいいもの。
子供は親の苦労を知らずに、「親が何でもやってくれるもの」だと甘え、現実が見えていないところがあります。だから、中学生くらいになったころには、「家族はチームであり、それぞれが自分の役割を果たして、協力し合っていくことが大切である」ことを伝えたほうが、もう少し自分の役割を認識し、能動的に取り組むようになるかもしれません。
でも、あくまでも子供の役割は、一方的に親の理想を押し付けるのではなく、「子供がやりたいこと(やってもいいこと)」であることが重要です。

次の紹介するのは、これができていないから「家族の関係が壊れやすい」といっても過言ではないことです。次のページをご覧ください。
 

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