何があっても前に進んできたあなたは、大丈夫です


ナオコさん、こんにちは。ご病気で車椅子になり、そして寝たきりになったお母様を、お父様と一緒にお世話されているとのこと。この10年間大変なご苦労があったのではと想像しますが、「お母様のお世話が生きがい」と言えるナオコさんは、親思いの素晴らしい方ですね。

 

心を尽くしてこられたからこそ、お母様の余命宣告はとても辛い出来事だったと思います。余命というのは、揺らぎのある不確かなものだけに、「もっと愛情を注いでいたら」「あの時こうしていれば」という気持ちに苛まれることもあったかもしれません。残念ながら命に“タラレバ”はありませんが、お母様は思い出が詰まったご自宅で、愛する娘と旦那様にお世話してもらい、つらい闘病を続ける中にも幸せを感じていらっしゃったのではないかと……。勝手な想像かもしれませんが、そんなことを思いました。

仮に最愛のお母様が旅立たれることになったら、ご自身でもおっしゃるように、喪失感に苦しむこともあるでしょう。一人で生きていくことへの不安も、すぐには消えないかもしれません。でも、ナオコさんは大丈夫です。これまでだって、何があっても前に進んでこられたのですから。

残された側は、もちろん寂しいものです。私自身も母をなくし、父も長い闘病生活の末に帰らぬ人となったので、ナオコさんのお気持ちは痛いほどわかります。ですが、時間が薬となり、今はこうして立ち直り、自分の今を生きることができています。

少し宗教的な感覚のお話かもしれませんが、人にもし“魂”があるならば、肉体はなくなったとしても、故人は肉体の苦しみから解放されて、楽になっているかもしれませんよね? 今もこれからも魂はずっと私たちのそばにいて、ニコニコしながら見守ってくれているかもしれません。どうしても寂しさや虚無感から抜け出せない時は、そんなふうに捉えてみてもいいのではないかと思います。