せっかくきれいに白髪染めをしても、3週間もすると染めたての色が褪せてしまうのはなぜ? CALON銀座代表のカラースペシャリスト・西海洋さんに、ホームケアで白髪染めスパンを引き延ばすコツを聞いてみました。
褪色予防の第一歩は毎日のインバスの見直しから
――多くの大人世代にとって、白髪染めは定期的に行うお手入れです。だからこそ「少しでも染めたての美しさをキープしたい!」と思うのですが、染めた後のホームケアで気をつける点はなんでしょうか?
西海さん:褪色を防ぐためにはシャンプーなどのインバスケアに気を配ることが大切です。特に、洗浄力の強いシャンプー剤で毎日洗髪するのは要注意。これは頭皮の油分と水分のバランスが崩れやすいだけでなく、染めた髪色も落ちやすいのです。アミノ酸系などマイルドなタイプのシャンプーを使用することがポイント。あと、トリートメントでしっかり髪の内部修復をすることは基本ですが、ただなんとなく塗布するだけではその効果が半減しています。
――トリートメントは、毛先を集中的にケアというイメージですが……。
西海さん:白髪染めを繰り返す髪は、毛先だけでなく全体的に気を配ることが必要です。トリートメントを髪の中間から毛先に塗ったあと、根元側から数回、コーミングしましょう。バスルームには、目の粗いコームをひとつ常備しておくといいですね。
――コームでブラッシングするといいのですね?
西海さん:そうですね。ただなんとなくトリートメントを塗っていると、例えば表面や毛先ばかりに塗布するなど、ムラができやすいんですね。そのため、髪の“内側”や“リタッチした根元に近い部分”にはきれいに馴染んでいない、という方が実は多いんです。コーミングをするとトリートメント剤が均等に塗布されるだけでなく、髪のもつれも解消できるのでその後のお手入れによる摩擦も軽減されますから、褪色予防につながります。
無意識に行っているかも!?
アウトバスで気を付けたい2つの習慣
――摩擦が髪のダメージにつながることはよく知られていますが、白髪染めの褪色を早める原因にもなるんですか?
西海さん:はい。摩擦は徹底的に避けたいところ。濡れた髪は乾いているときより断然ダメージを進行させます。そのためタオルドライで髪をゴシゴシこすると、その摩擦で褪色が早まってしまうんです。
――なるほど!
西海さん:あと、ドライヤーの熱を素髪にあてるのも白髪染めが落ちやすいので注意しましょう。おすすめは、オイルコーティングをしてからドライをすること。オイルを髪全体に塗布するために、ここでもコーミングをすることが大事です。それと、毎日使うドライヤーは、イオンタイプを使用すると熱ダメージが抑えられるのでおすすめです。
西海さんがレクチャー! 褪色を防ぐアウトバスのルール
① タオルドライは“根元を中心”に優しく行う
洗髪後、地肌が濡れたままだと、水分がどんどん毛先にたまっていってしまいます。タオルドライをするときは、まず地肌の水分をとりましょう。その後、中間や毛先の水分をとります。ゴシゴシこすらず、タオルで丁寧に押さえるように水分を吸収していきましょう。「速乾タオルは摩擦予防に優れていますから、大人世代はぜひ活用してほしいアイテムです」(西海さん)
② 中間~毛先にアウトバスヘアオイルを塗布
水分をとったら、アウトバスヘアオイルを中間から毛先になじませます。ドライヤーの熱から髪を守ってくれるので、熱による褪色を軽減してくれます。
③ 根元側から数回コーミング
ヘアオイルを髪全体にきちんとなじませるには、コーミングがおすすめ。トップ側からしっかりとかして、根元側や内側の髪にもオイルが行き届くようにします。
④ ドライは根元に風を送り込むことからスタート
ドライヤーは、ついつい毛先側から当ててしまう人も多いのでは?
「ダメージの目立つ毛先側はすぐに乾燥します。逆に、新生毛の根元は乾きにくいのが特徴。毛先のオーバードライを防ぐためにも、先ずは根元から乾かしましょう。熱が一か所にたまらないように、ドライヤーを振りながら風を送ると、髪のたんぱく質の変性も予防できます。表面の髪を乾かす際は、斜め45度から風を当てることでキューティクルが整いやすく、カラー剤の褪色も抑えられます」(西海さん)
⑤ 仕上げに保湿剤を毛先にプラス
乾燥が気になる部分にはミルク系のアウトバスを少しプラスします。また、強い紫外線も褪色を早めますから、外出時にはUV効果のあるヘアスプレーなどを吹きかけるのもおすすめです。
白髪染めした髪のギラつきや根元の色が気になる人は?
――白髪染め後のホームケアによって、褪色のスピードに差が出ることがよくわかりました! その上で、他にも褪色を目立たせないアプローチはありますか?
西海さん:髪を染めるとき、髪色を暖色系に傾けることで褪色の過程に多いギラつきが目立たなくなります。例えばブラウンに少しオレンジを混ぜるなど、仕上がりの色をウォームブラウンにするだけで、長期間、ツヤっぽさが保てます。
――寒色より暖色系がきれいをキープできるのですね。
西海さん:あと、白髪ぼかしのハイライトは複数の髪色が混ざることで生えてきた根元の白髪やギラつきをカモフラージュしてくれます。どうせ染めるなら、白髪が悪目立ちしないテクニックを選択するとよいでしょう。
白髪染めスパンが延びると染める手間が減るだけでなく、褪色過程のストレス、そして髪や頭皮へのダメージも軽減できます。
染めたあとのお手入れ法を意識して、少しでも長く染めたてに近いきれい色をキープしていきましょう。
CALON銀座代表
カラースペシャリスト・西海洋さん
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取材・文/小澤佐知子
構成/國見香
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