連ドラ『大豆田とわ子と三人の元夫』
(各種サブスクにて配信中)

2021エンタメベスト!珠玉のラストに何度でも観たくなる5作品_img0
『大豆田とわ子と三人の元夫』 写真:番組公式サイトより。

2021年は、オリジナル脚本による地上波ドラマの傑作が多く誕生した年でした。宮藤官九郎の『俺の家の話』、金子茂樹の『コントが始まる』、そして坂元裕二のこのドラマ。細かい仕込みや仕掛けが丁寧かつ上質な見どころだらけの本作ですが、すべてをかっさらっていったのは最終回に登場した「まーさん」です。

とわ子の母親が夫よりも大切にしたかもしれないまーさんの、様々な矛盾を抱えた人間を肯定する言葉、嘘のない口調と笑顔により、とわ子は救われ、とわ子の娘の唄は大きな転機を迎えることに。高校生の唄は医師を目指していましたが、受験では女子よりも男子が優遇されるという現実を知り、やさぐれて医大受験を放棄。医師志望の彼氏の「西園寺君」を支える側に回ろうとしていましたが、祖母とまーさんのストーリーを知り、人生は自分のものだと気づくのです。矛盾した未来を生きる世代の背中を押し、わりきれない過去をもつ人の背中を優しくさする、まーさんの言葉が1人でも多くの人に届きますように。

構成/山崎 恵
 


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