野菜がとにかく美味しくて料理も楽に

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自宅近くのハルニレテラス。梅雨入り前の毎年恒例の風物詩。

現在は、ハルニレテラス近くの別荘エリアに建てた自宅で、四季折々の暮らしを楽しむ川上一家。軽井沢に移住して良かったことは? と尋ねると「野菜がすごく美味しいこと。それから、東京にいた頃は考えられなかったけれど、家族ぐるみの付き合いが増えたこと。山登りや川遊びなどの自然ベースの遊びが多いからか、どこへ行くにも家族単位で動くようになりました。東京ではバラバラに付き合っていた友人たちとも、家族ぐるみで集まるようになって。主人は思いのほか軽井沢に適合していて、“軽井沢サイコー!”って言っていますよ(笑)」

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直売所で買ってきたクレソン&トマトを乗せたピザ。素材が新鮮なのでこれだけで絶品!と川上さん。

実は旦那さん、東京生まれの東京育ちで、自然の中で遊んだ経験もそれほどないインドア派。それゆえ、家族の中で最初に音を上げるのでは? と川上さんは心配していたそう。ところが行ってみたら誰よりも楽しんでいて、リモートワークをいいことに、一時期都内に寄りつかなくなってしまったのだとか(笑)。

 

「さすがにそれでは仕事が成り立たないので、仕事関係者に週の半分は軽井沢から出るように言われたみたい(笑)。でも軽井沢と東京は新幹線で1時間強ですし、ちょっとした自分の時間ができてちょうどいいんですよね。東京からの終電も22時過ぎまでありますし。ただそれは親サイドの話で、娘は少し複雑だったみたい。今でこそ馴染んでいますが、移住してきたばかりの頃は3歳児なのに“こんなに遊んでていいんだろうか”って困惑していました(笑)。プリスクールにはすごく仲のいいお友達もいたし、近所のカフェには娘を可愛がってくれる店の人も多かったので、最初の頃は東京が一番好きって言っていて。拠点を移す前に親子で話し合ったつもりだったけれど、親の都合で娘の本当の気持ちを無視してしまったんじゃないかって悩んだこともありましたよ」

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軽井沢で人気のRKカフェの系列、GAFLO CAFE。花屋に併設されたカフェで、窓の外の緑と店内の花々に癒される川上さんお気に入りスポット。

そんなお嬢さんも、今ではすっかり軽井沢の住民。引っ越しのきっかけになったという幼稚園は開園したばかりの園で、わざわざそこに通わせるために家族で引っ越してきた人も多いのだとか。保護者の中には都内に毎日新幹線通勤している人もいるし、コロナの影響で週に2回程度東京のオフィスに通い、それ以外はリモートという人も多いと川上さんは話します。

川上さん自身も移住当初はもっと都内へ通うことを想定していましたが、ミーティングなどもほぼオンラインに変わり、予期せず軽井沢での仕事時間が増えました。100%オンラインだと不足する部分もあるけれど、なんせ軽井沢は東京に通える距離。「今はその辺をうまく使い分けているので特に問題はありません」と話します。それでも今後は、軽井沢でできる仕事を増やしたいとも。

「この先10年近く軽井沢で生活するにあたって、仕事のメインが東京だけというのは無理があるかなと思っていて。今はのんびりペースで仕事をさせてもらっているので両立できていますが、やっぱりこっちでも仕事をしたいなと。東京の仕事もすごく楽しいので続けつつ、私自身の考え方や暮らし方も随分変わってきているので、それらを反映させた新しいことをやってみたいなと思っています。それが食メインなのか違うことなのか、いろいろやりたいことがたくさんある中で、優先順位を踏まえながら自分ができることを考えているところです」

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冬場はいろいろな生き物の足跡がたくさん。猿が生息する森の中に自宅があるため、ウッドデッキにまでやってくるそう。


二拠点生活を送る上で出会うさまざまな景色
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次回は川上さんの軽井沢でのお気に入りスポットや、移住したからこそ始めようと思ったことなど、川上さんの今について伺います。

撮影/川上ミホ
取材・文・構成/井手朋子

 

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