声の主は猫? 田中哲司さんがナレーションを担当『となりのチカラ』

『となりのチカラ』(テレビ朝日系・毎週木曜よる9時〜)

とあるマンションに引っ越してきた主人公・中越チカラ(松本潤)。色々と中途半端だが、思いやりと人間愛にあふれた彼が、自分や家庭のことはそっちのけで周りの住人の問題に首をつっこんでいく物語。チカラの心の声を含むナレーションを、松本潤さんではなく田中哲司さんが担当しています。

 

チカラ自身は物書きの仕事をしていますが、最近は人の本のゴーストライターばかりで自分の小説がずっと書けていない状況。娘・愛理は少々クールすぎる性格で何でも数字で物を言い、息子・高太郎は手旗信号でエッチな言葉を発信、しっかり者の妻・灯(上戸彩)には「他人の問題に首を突っ込むべきじゃない」「周りのことよりも自分を大事にしてほしい」とよくたしなめられています。

虐待疑惑の隣の家、高校生の孫が認知症の祖母と二人で住み、ヤングケアラーとなってしまった家庭など、家族に怒られたり本人たちに拒絶されたり、管理人さんに注意されたりしながらも困っている様子を見ると放っておけないチカラ。

観ているほうもさすがに首をつっこみすぎでは……? と思う場面もあるものの、2話では今のところ完全な解決とはならずとも、最終的には当人に感謝される状況になっています(隣の家に関しては、まだいろいろと心配ですが……)。また2話で明かされたチカラの過去、母親が脳卒中で倒れ、父の一か月の看病もむなしく亡くなってしまったこと、悲しむ父をそっとしておいたら父が自殺してしまい、声をかけなかったことを悔やんでいることを知ると、彼の行動も納得してしまう気もします。

ナレーションの主、作中ではマンションに住み着いたノラ猫という設定。ナレーションの多くがチカラの心情であり、それとは別に松本潤さんの声でチカラの心の声が出ることもあるのでちょっと違和感があります。心の声は本人でいいのでは? という気も少しするのですが、マンションでの出来事を客観的な視点で観るための、あえてのバランスなのかもしれまません。

脚本は『過保護のカホコ』『家政婦のミタ』などの遊川和彦です。

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