介護世代には遺族厚生年金がポイント
公的年金には、保険料を支払った本人が受け取る国民年金や厚生年金のほかに、亡くなった人の遺族に支払われる「遺族年金」があります。遺族年金には、国民年金加入者のための「遺族基礎年金」、そして厚生年金加入者のための「遺族厚生年金」がありますが、前者は子どもを養育するための年金なので、介護世代には「遺族厚生年金」がポイントになってきます。
遺族厚生年金は、次のいずれかの要件を満たしている人が死亡したとき、遺族に支給されます。なお、自営業者は厚生年金に加入していないため、遺族厚生年金の対象にはなりません。
・厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
・厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
・1級・2級の障害厚生(共済)年金を受け取っている方が死亡したとき
・老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき
・老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
【参考】日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
年金が減ったタイミングで介護についても考えて
遺族厚生年金は夫も妻もどちらも受給者になることができ、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3が年金額となります。しかし夫婦2人で年金をもらっていた頃に比べてやはり減額は大きく、年金だけで生活するのは厳しいのが現実です。
預貯金や年金以外の収入がなくなると、医療や介護どころか日々の生活すらままならなくなってしまうかもしれません。親が1人になれば年金が減るということを想定し、子ども世代は介護の方法を考える必要がありそうです。
構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
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