複数のキャリアを並行して持つことで、スキルアップはもちろんのこと、本業だけでは得られない経験や人とのつながりが持てる、”パラレルキャリア”。終身雇用の崩壊や副業を認める企業の増加など、社会の変化を背景に、新たな働き方として注目されるようになっています。

一方で、「興味はあるけれど、自分に何ができるのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。パラレルキャリアを始めるには、まずは自分が何を”ギブ”できるのかを知ることが必要。ですが、自分が持っている強みやスキルに気づくのは、案外難しいもの。

今回は、〔ミモレ編集室〕メンバー3名が、新たなキャリアの''種"を見つけ出すワークショップに参加しました。ファシリテーターは、「スナックひきだし」の紫乃ママこと、木下紫乃さんです。

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木下紫乃さん
1968年、和歌山県生まれ。慶應義塾大学を卒業後、リクルートに入社。その後、転職を繰り返し、47歳で慶應義塾大学大学院修了。2016年には40代、50代のキャリア再構築を支援する会社「ヒキダシ」を設立。企業研修(セカンドキャリア研修)や中高年のキャリアコーチングをなりわいとするかたわら、週1回、昼だけ営業する「スナックひきだし」を開店。「昼スナブーム」を巻き起こす。プライベートでは3度の結婚など紆余曲折、盛りだくさん。

 


歩んできた人生そのものがキャリア
一度立ち止まって、自分の持ち物を確認しよう

 

紫乃ママ:キャリアっていうと、仕事のことを指すものだと思われがちですよね。でも、キャリアの語源は「馬車が通った道」。つまり、「歩んできた人生」そのものなんです。ですから、お金を稼いでいるか、肩書をもっているかは関係ありません。

それから、「自分にはたいしたスキルがない」という声もよく聞きます。スキルというのは、専門的な技術や特殊な能力だけを指しません。例えば、電話対応やタイムマネジメントといった社会人としての基本動作から、誰とでも打ち解けられるといったコミュニケーション力、難しい人との交渉が得意なんていう対人的な能力も、立派なスキルなんです。

ワークショップでは、これまで歩んできた道のりを振り返り、どんなスキルを身に着けてきたのかを見える化して、それをどんな方向で生かしていきたいのかを考えていきます。


年代も働き方もバラバラ。
ワークショップメンバー紹介

 

花子さんは、フリーライター歴20年以上のベテラン。最近は企業の機関誌や社内報のライティングを主に手掛けています。安定して仕事があるのはありがたいと思いつつ、この頃はもっとワクワクできる仕事はないかなと考えています。

プライベートでは大の旅好きで、大自然に包まれるアラスカがお気に入りという、ワイルドな一面も。自然保護に関心を持ち、市民大学で学んでいる勉強家でもあります。

花子さんが自分史を振り返った「ライフログ」のワークシート

 
 

これまでに何度か転職を経験し、現在は海外コスメブランドのPRとして働いている、ミーさん。女性が活躍する業界で楽しく働けているものの、残業の多さに疲れを感じることも。長く働いていくために、バランスのよいワークスタイルを模索中です。

物腰柔らかくふんわり癒やし系な雰囲気とはうらはらに、納得のいくまで働く環境を変えていくガッツに、参加者からは驚きの声が。

ミーさんが自分史を振り返った「ライフログ」のワークシート

 
 

アパレル会社に長年勤務し、生産管理を担当。二度の産休と復帰後のうつ状態も経験しつつ、今は働きやすい職場づくりのため、業務改善にまい進中。仕事に不満はないけれど、他の世界も見てみたいと思うようになりました。

夫が2度無職になったときにも、しっかりと家計を支えてきたユリさん。明るく頼りがいのある女性です。

ユリさんが自分史を振り返った「ライフログ」のワークシート