年齢を重ねるごとに悩みばかりが増える髪。細毛に白髪、広がりにペタンコ……。髪のネガティブな部分のカバーが目的になって、ヘアデザインのかっこよさや素敵さを諦めていませんか? でもちょっと待って! 信頼できる美容師さんがいれば、大人の年齢であってもまだまだ理想のヘアスタイルを楽しめるんです。今回は、ごわつきと広がりが気になるワンレングスを、大人仕立てのボブにチェンジしてみることに!
無造作に広がる髪を梅雨に入る前にどうにかしたい!」
読者代表 ニコさん・40歳
● クセが出て広がる髪。まとまり感を復活させたい
● 面長の輪郭に合う自然なボリュームがほしい
【ヘアを担当するのはこの方!】
broocH スタイリスト・杉山 由夏さん
気取らないナチュラルな雰囲気のニュアンススタイルが得意で、数多くのメディアで作品を発表。再現性の高いカット技術で、自宅スタイリングがラクになるスタイルづくりの達人です。また、産後から起こりやすい女性特有の髪悩みにもきめ細やかに対応。大人女性から人気が高い美容師のひとり。
重ねあげてきた年齢を否定せず
今の私に似合うヘアを追求!
端正な顔立ちで爽やかな印象のニコさん。会社員として働く傍ら、趣味で始めたキックボクシングで現在、アマチュアの試合に出場するまでに。また、格闘家エクササイズ「KICK OUT」の資格を取得、都内ジムにてインストラクターとしても活躍中です。
「汗をかくので何度もシャワーを浴びるため、髪の乾燥が気になります。また、最近になって以前より髪のうねり、広がり、ゴワつきが目立ち、まとまり感がなくなってきました。今回のイメチェンはとても楽しみですが、単に若々しさを求める髪型より、生きてきた年月を楽しみながら、無理なく自然な女性らしさを表現できたら嬉しいです」と話します。
カットを担当する杉山さん曰く「ニコさんはボブがお似合いの顔立ち。毛先側に厚みを作ることで、髪のクセを生かした程よい空気感が出ると思うので、カットだけでかなりイメチェンができるタイプです」
そこで今回は、ニコさんのアクティブな日常とは違う、フェミニンな魅力を引き出すことに決定!
HOW TO STYLE
ペラペラして暴れるサイドは
直線的にカットして重さをプラス
ローレイヤーが伸びきったサイドの髪は、毛先の長さがバラバラの状態。厚みがないことでよりクセや膨らみが出ています。そこで直線的にはさみを入れ、前下がりのデザインでカットすることに。「毛先の量感をある程度揃えると、重さが出てまとまり感がアップします」と、杉山さん。
膨らみやすいバックは
内側の毛量をコントロール
バックは内側から直線的にカットします。その後、厚みが出過ぎないよう内側を中心にすいていくのがポイント。「髪が膨らむとアウトラインばかりを気にしがちですが、広がりは内側から出てきます。この部分を見極めながら毛量調整を加えるのが大切です」(杉山さん)
分け目が立ち上がる部分を確認し、
面長の輪郭を卵型にカモフラージュ
空気感のあるボブに仕上げたい場合、トップのふんわり感は不可欠!ある程度カットが終わったら、根元を乾かしながら分け目を決めます。「ペタンとしやすい毛の人でも、フワッと立ち上がりやすい分け目があります。乾かしながら見極め、分け目からきれいな立ち上がりが出るよう、最後にカットで空気感を与えます」(杉山さん)トップと裾に空気感を出してあげると、輪郭も卵型に近づいてまさに一石二鳥!
仕上がりはこちら!
15センチほどばっさりとカットして、軽やかなボブにチェンジしたニコさん。クセを上手に操りながら、品とおしゃれ感が混在する華やかなスタイルに仕上がりました。
「毛先側のバサバサ感が一掃されて、髪質が生まれ変わったみたい。絶妙なエアリー感も出て扱いやすそうです」とニコさん。
ふんわりとした自然なAラインのボブは、面長が気になりだす40代以降の女性におすすめ。年齢と共に萎みやすい頬の横の高さにボリュームが出ることで、女性らしい丸みを演出します。普段はアクティブなニコさんですが、大人フェミニンな印象もとても魅力的です。
side&back
ほんのりと前下がりのボブは、平行ボブより大人っぽい女性らしさがアピールできます。
ここが隠し技!
面長さんはサイドを開くようにドライ!
面長の輪郭の場合、サイドの毛がペタンと張り付くと、頬が間延びしてみえやすいです。ドライの際はサイドの毛束を後ろに引っ張り上げ、根元を中心に温風を当てましょう。
こうすると輪郭と毛束の間に程よい空間が生まれて、エアリーなAラインシルエットに。
ジムトレーナーをするニコさんは、普段から髪に手をかけ過ぎない生活が希望でした。数日後、髪の状態をお伺いしたところ「ショートボブにカットしたら、まとまり感が出てセットの時間が短縮されました。周囲の人からも“女性らしくなったね!”と褒めていただいて。当面はボブを楽しめそうです」と感想をいただきました。
これから梅雨の季節となり、髪のうねりを気にする人も増えてきます。解決のためにストレートパーマをかける人も多くいますが、重めボブで髪のうねりを賢く生かすのも手。
髪ストレスの多い時期ですが、ヘアカットで上手に乗り越えていきましょう!
tel. 03-5778-0438
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取材・文/小澤佐知子
構成/國見香
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