碓氷 現時点で私たちが出来ることはなんですか?
山田 そうですね。やはり原因が特定されていない以上避け方もわからないのですが、少なくとも「何らかの症状が出たら医療機関を受診する」ということは大事なアクションだと思います。
基本的に肝臓というのは比較的静かな臓器で、炎症が起こっても気づかない・症状がないという方も多いのですが、炎症が悪化してくると黄疸といって皮膚や目の色が少し黄色っぽく見えてくるような変化が出てきます。
英国からの81例の報告によれば、頻度の高い症状として、黄疸(74%)、嘔吐(73%)、色の薄い便(58%)、倦怠感(56%)、下痢(49%)、発熱(30%)があったとのことです。なので、お子さんにこうした症状が出ていないかなど注意して観察していただければと思います。
碓氷 私からすると、7割の人にアデノウイルスの陽性反応が出たと聞くと、今までのウイルス感染対策が有効かな、と思ってしまいますが、そう単純ではないのでしょうか?
山田 今回の原因不明の急性肝炎が感染症と決まったわけではありません。ですが、もちろん食中毒を防ぐ、感染症を予防するということは一般の感染症対策としては大事ですね。
すでに接触感染予防としてのアルコール除菌、飛沫感染予防としてのマスクは十分すぎるぐらいに浸透したと思いますが、アデノウイルスに対しては流水と石鹸で手洗いすることが大切です。特に、小さなお子さんをお持ちのご家庭では、外出後、トイレの後、食事前など、流水での手洗いを心がけていただくことも大切だと思います。
ただ、現在はわかっていないことが多いので、今後の続報を待つ必要があります。
碓氷 続報が出たタイミングでまたぜひ解説をお願いします。本日はどうもありがとうございました!
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