もしもやり方がわからなくなった場合、紙を引っ張り出してくるよりも、結局ネットで確認したりスキャンしたデータを見るほうが早いと思うんです。情報はありがたくいただきますが紙自体は申し訳ないけど捨てることが結構あります。

医療関係者や自治体、金融機関など、いわゆる「ちゃんとした人」から渡された紙は、取っておかないといけないと、反射的に思ってしまう方が多いように感じます。

実際、紙を取っておかれる方は、真面目で優しい方ばかりなのです。

でも、すでにお伝えしたように、「大事な紙を埋もれさせないようにすることが一番重要」です。不要もしくは、不要とまでは言えないけど、なくてもどうにかなる紙のせいで、本当に大事な、お金に換わるような紙が埋もれて見つけられなくなる。そのほうが、こわいと思いませんか?

「どの紙を残すべきか」がわからないと、テーブルの脇も、書斎も、子ども部屋も、紙が占領してしまうことに……。(写真=『人生が変わる 紙片づけ!』より)

だから、「重要」とか「金融機関から来た紙だから」とか、表面的な情報によって思考を停止させるのではなく、ちゃんと確認して自分の頭で考えるクセをつけましょう。

 


「要る紙」以外は、封筒も“ご案内”も捨ててOK


紙は、読めば必ず答えが載っています。封を開けて中身を読んで、「これは何に使うのかな?」と自分に問いかけてください。使い道がないなら、それは不要です。

情報として残しておきたいならデータ化して捨てましょう。紙として残しておかなければならない場合のみ、ファイリングします。ただし、その場合も要る紙以外は即捨てます。紙を包んであった封筒は要りません。要る紙と一緒に入っていた、その他の紙も不要です。要る紙だけを残し、身軽にした状態でファイリングします。

* * *

紙一枚は薄いです。
でも、その価値は洋服一枚とは比べ物にならないこともあります。

家のどこかにあるはずなのに、大事な紙を見つけられないせいで保険金をもらえなかったり、督促状に気づかずにブラックリスト入りをしたり……。

紙は、その人の人生を握っていることもあります。だから、重要な紙が不要な紙に埋もれないように、しっかり管理することが大事。よくわからない、忙しいと先延ばしにせず、まずは目の前の紙と向き合うことが実はとても大切なのです。


作者プロフィール
石阪京子(いしざか・きょうこ)さん

片づけアドバイザー。宅地建物取引士。JADPメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。大阪で夫と不動産会社を起業、夢のマイホームを手に入れても片づかないことで理想の暮らしができないと諦めている多くの人に出会う。自分にできることはないかと女性目線での建築設計、引っ越し後のアフターフォローとして家の片づけを提案。独自のメソッドは、一度やれば絶対にリバウンドしないのが特徴で、これまで様々な片づけ方法を試したり、プロに頼んではリバウンドを繰り返してきた人たちの「最後の駆け込み寺」となっている。これまでに同メソッドで片づけに成功した人はほぼ1000人にのぼる。著者に『一回やれば、一生散らからない「3日片づけ」プログラム これが最後の片づけ!』(ダイヤモンド社)、『一生リバウンドしない! 奇跡の3日片づけ』(講談社)などがある。

『人生が変わる 紙片づけ!』
著者:石阪京子 ダイヤモンド社 1430円(税込)

「モノ」の片づけはそこそこできているのに、家の中でなかなか片づかないもの。それが「紙や書類」ではないでしょうか? 本書は「家の中の紙・書類」片づけに特化した、今までになかった片づけハウツー本。信用や財産に関わる、いわば人生を左右する「紙」を埋もれさせないために、不要な紙を整理するにはいったいどうしたらいいのか。その具体的な整理術や、紙や書類を捨てる際に「罪悪感を抱かない」ための考え方を教えてくれます。不要な紙を整理できれば、不安やモヤモヤもすっきり解消! 人生を前向きにしてくれる“紙整理術”を大公開。



構成/金澤英恵