韓国版でしか実現できないリメイクが面白い!
その後は、「私が他のARMYと違うのは、本当に軍隊(アーミー)に入ったことだ」というナレーションの通り、彼女は軍隊に入ります。そして北朝鮮での軍事訓練のシーンに切り替わるのですが……。
今や世界中を虜にするBTS。冒頭でその存在に触れることで、一気に視聴者の関心を惹きつけ、韓流コンテンツの実力を見よ! と言わんばかりのスタートでした。同時に、これは単なるリメイク作品ではないのだという空気を強く感じます。
何より印象的なのが、朝鮮半島が南北統一に向けて動き始めるという韓国版オリジナルの設定が加わったところ。舞台は2025年。韓国と北朝鮮の経済共同区域が設立され、統一通貨も発行されるのです。
そして強盗団たちが立て篭もるのが、南北統一通貨を作る「統一造幣局」。事件の舞台を単なる造幣局にするのではなく、韓国版ならではの強烈な個性を前面に押し出してきました。
また、ビジュアル面でも韓国らしさを強く表現しています。本国スペイン版では、強盗団たちが真っ赤なジャンプスーツにダリの仮面を被っていました。ユニークだけれどちょっと不気味な仮面姿。この視覚的なキャッチーさがドラマのヒットを支えたように思えます。
韓国版の衣装も一見スペイン版と似ていますが、よく見るとダリではなく“ハフェタル”という韓国の伝統的な仮面に変えてきたところに、こだわりを感じました。
本国版からの変更点はどこを取っても、「韓国版でしかできない演出や設定」ばかり。原作を知っている人にとっても新鮮で、全く飽きることがありません。大胆すぎるアレンジには驚かされるばかりでしたが、単なるリメイクにとどまらないという作品への本気、そして韓国エンタメのパワフルさを感じたのでした。
一方で、「トーキョー」「リオ」「ナイロビ」など、世界の都市からとった主人公たちのコードネームは原作そのまま。原作ファンが愛した重要なポイントは残しつつ、韓国ならではのアレンジを加えているのです。
ちなみにスペイン版で印象が強かったデンバーの独特な笑い声。あの笑い声を韓国版でも忠実に再現したのは良かった! という原作ファンも多かったようです。
やっぱり韓国ドラマには欠かせない!イケメンにも大注目
そしてヒットドラマを支えるのは、やっぱり俳優たちの演技力。『ペーパー・ハウス・コリア』にも、抜群の演技力を誇る豪華俳優陣が揃っています。
圧倒的カリスマ性を放つのは、『イカゲーム』のサンウ役が記憶に新しい、ベルリン役のパク・ヘス。トーキョー役のチョン・ジョンソが持つ孤高のオーラと美貌にも注目です。
さらには、大ヒット韓国映画『オールドボーイ』のユ・ジテ、日本でも有名な映画『シュリ』やアメリカドラマ『LOST』に出演するキム・ユンジンなど、ベテラン勢も大活躍。
また、韓国ドラマの醍醐味であるイケメンだってもちろん登場。イケメン好きの方ならおそらく、ちょっぴりワイルドなイケメン、デンバー役のキム・ジフンか、K-POPアイドルみたいにキュートな、リオ役のイ・ヒョヌかのどちらかに分かれるはず。
ちなみに私はデンバー派。最初はちょっぴり野蛮な雰囲気が苦手だったのですが、ぶっきらぼうだけれど優しいところにどんどん惹かれていってしまいました。スペイン本国版では推しは見つけられなかった私にとって、これはとても嬉しいことです。
そして絶対に見逃せないのが、恐らく韓国ドラマ界でトップクラスに入りそうなほど官能的なラブシーン! あまりにセクシーだった上に、デンバーの鍛え上げられた腹筋がいまだに脳裏に焼き付いています……。
一方で、もう一人のイケメン・リオも気になります。韓国版のリオは、医者の息子として生まれ、後継になることを強いられながらも反抗して生きる…というオリジナルの設定を加え、ここにも韓国ドラマらしさを感じました。リオとトーキョーとの関係がこの先どう発展するのかも楽しみで仕方ありません。
現在『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』は前半の6話までが配信されていますが、少なくとも現段階では「リメイク作品として大成功」と言えるのではないでしょうか。
大ヒットドラマ『イカゲーム』にも通じるような独特の空気感やテンポの良いストーリー展開で、視聴者を強く引き込むパワーを感じる作品です。『イカゲーム』に続き、『ペーパー・ハウス・コリア』は韓国エンタメの実力を世界に知らしめる作品となるのか。後半6話の配信が今から待ち遠しいです!
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