規制なしの夏休みを終え、コロナウイルスが拡大し続ける日本。乗り切るには、免疫力を高めて戦える体を作っておく必要があります。「内側から美しくなる食生活」を提唱してきたエリカ・アンギャルさんに、最新のスーパーフード情報、世界から見た日本の食生活の良いところ悪いところ、そして更年期もハッピーに過ごすためのメンタルケアについて広く伺いました!

第一回は、健康の指標として海外で広く知られている「アルカライズ」についてお届けします。

 

エリカ・アンギャルさん
1969年オーストラリア・シドニー生まれ。シドニー工科大学卒業、健康科学学士。ネイチャーケアカレッジ卒業(栄養学)。オーストラリアで医師とともに、アレルギーや自己免疫疾患、心臓病や糖尿病などの生活習慣病や、肌コンディションに悩む患者の治療に従事する。
1985年に初来日して以来、日本に在住する親日家であり伝統的な和食と日本文化をこよなく愛す。日本女性の心に響くよう、磨き続けた日本語で、美容と健康に関する世界の新しい知識を紹介することに、深い情熱を注いでいる。医療情報番組「MEDICAL FRONTIERS」(NHK WORLD)プレゼンター(2015年〜現在)を務める。著書に『最強でエレガントな免疫を作る100のレッスン』他。

 

ストレスフルな環境を乗り切る鍵は“弱アルカリ”生活にあった!


夏の疲れが目に見えてくる9月。残暑に負けない体を作るためにはどのような食事を摂ると良いのでしょうか。そこでまずは、私が今、食生活において力を入れていることをお話したいと思います。

 

私たちは普段、健康的な体をキープできているかどうかの判断基準として、体温や血圧、血糖値などにはかなり気を配っています。でも体のpHとなるとどうでしょう? 欧米では当たり前のように認識されていて、私も日々気を配っているpHバランスですが、日本では驚くほど注目されていない印象を受けています。

pHとは水素イオン指数のこと。分かりやすく言うと、昔学校で習ったように酸性・アルカリ性を表すものですね。数値は1から14まであって、真ん中の7が中性、それより低いほど酸性度が強く、高いほどアルカリ度が強くなります。人間の体は部位によって適正なpHバランスが異なりますが、全体としては中性の7より若干数値の高い“弱アルカリ性”が理想と言われています。

このバランスが崩れ酸性化してしまうと、私たちの身体は様々な不調に見舞われます。疲れやすい、ホルモンバランスの崩れ、不眠、肌荒れ……。当然、夏バテもしやすくなってしまうでしょう。

もっと怖いのは、酸性化してしまうと体はバランスが取れなくなりますから、それは死につながるということ。そこで体は死なないように、骨や筋肉からアルカリ性栄養分であるミネラルを取り出してpHバランスを保とうとします。その結果、骨粗しょう症にもなりやすくなってしまうのです。骨は一度もろくなってしまったら再び強くすることはとても難しいのです。ですから日頃から体を弱アルカリ化してくれる食品を摂取することが、非常に大切なのです。

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親日家の栄養コンサルタントエリカ・アンギャルさんの日常は?
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