ファッションエディターの発田美穂さんが、大人世代におすすめしたいアイテムやコーディネート術、テクニックをご紹介します。
なんだかすっかり寒くなり、本格的に秋の服が楽しめる気候になってきましたねー。早速、今シーズン新調したジャケットを着てみました!
テーラードジャケットでありながらいわゆる正統派とは異なり、少し丸みのあるコクーンシルエットの身頃。ゆとりのある袖。小さめで丸い肩。モードなニュアンスとひとさじの甘さがあって、すごく好みのタイプ!
私は基本的にジャケットというものが大好きで、かなり良く着る方だと思います。特に改まった予定ってわけでなくても、アウター代わりにガシガシと。
思えばジャケットのことをこんなに好きになった、なんだか似合うようになった、と感じたのは40歳あたりからでしょうか。そもそもジャケット自体は好きだったのですが、なんとなく着られている感じがあったり、必要以上に老けて見えたりと、なかなか“うまくいく”ジャケットがなかった。
ところが、何事も時が解決してくれます。こちらの体が丸くなり、全身のシルエットがぬるくなってくると、途端にジャケットが似合うように。それから、テーラード襟と顔との関係もあると思います。フェイスラインがゆるくなり、笑いジワが刻まれてきたあたりから、なんだか気負わずジャケットを着られるようになったのです。
そう! 年齢を重ねることで失うものももちろんたくさんありますが、得るものだってちゃんとある! 似合わなくなる色やアイテムはありますが、同じくらいの数だけ似合うようになるものもある! 鏡を見て疲れ切った自分の顔にがっかりしてみたり、お、今日は比較的いいのでは?? と思ってみたり。婦人のココロは日々忙しいですね。
とそんなこんなで話を戻しますが、すっかり私にとってのステディアイテムとなったジャケット。今シーズンはシルエットが大きく変わり、こんなコクーンシルエットのゆったりタイプを多く見かけます。
トレンドアイテムではありますが、何しろベースがジャケットなので、全く抵抗なくすんなり着られる! ジャケットが大きい分、スカートは細めのシルエットを選ぶことでバランスを取りました。この日はロケだったので、足もとはスニーカーで。ジャケットとスニーカー。自分的にものすごく落ち着く組み合わせ。
ジャケットのシルエットが変わるだけで、手持ちのボトムスのバランスが見違えて、新鮮な気持ちで着ることができるのもいい。
しかもこのゆとりのおかげで、中に厚手のニットを着込むことも可能です。アウターとジャケットの中間のような感覚で着られる。便利!
そうそう。大人の“トレンド”との付き合い方。“トレンド”と一口に言っても、アイテムそのものが新しいもの、何周目かの流行で人気が復活したもの、定番アイテムのシルエットや素材が進化したもの、など色々なパターンがあります。大人の場合、私のこのジャケットのように、馴染みのある定番アイテムが更新されたものだと、無理なく取り入れられるのでおすすめです。
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