スタイルができあがった大人世代こそ、コスパ服で着こなしの”風通し”をよくしたい


松井:コスパ服の魅力って、今回改めて実感できたけれど、なんといってもそのスピード感。旬のデザインや、最新の機能素材など「今」が閉じ込めれているなって。それはつまり、勢いがあって、風通しをよくしてくれるということじゃない?

室井:なるほど、確かにそうかもしれませんね。 

松井私のようにデニムはリーバイスの古着の501ばかり、とか、例えばニットはいつもあそこのあれというように決まったものがある人って良くも悪くも”縛られている”ところもあるわけでしょ。そういう人がコスパアイテムを取り入れてみると、結構な化学変化をもたらしてくれる気がするの。

室井:でも、そういう人こそコスパに手を伸ばしづらそう(笑)!

2021年冬の「今日のスタッフのコーデ」で松井さんが紹介したスタイリング。「ZARAのエコレザーパンツはこのツヤっとしたテクスチャーが、ニットなど、マットで重たくなりがちな冬のスタイリングにメリハリを加えてくれるからとっても便利でした。ジョガータイプのデザイン、ニュアンスのあるカーキ色は、高価なリアルレザーではなかなか選べないですよね。コスパなら、遊べる! それもポイントでした」(松井さん)

松井そうねー。ある意味、お洋服へのこだわりが強いわけだからね。それはもう楽しむ勇気、かな(笑)?  全身こだわり尽くしというのはとっても素敵だし、素晴らしい。この先もっと年齢を重ねたら、私もそうなりたいとも思っているし。でも、今はもう少し、しなやかさや軽やかさがあってもいいのかな、って。

室井:わかります。こだわり尽くしたスタイリングは素晴らしい反面、途端に隙がなくなってしまうことがあるんですよね。どこかに抜けた感じがあったほうがいいというのは、本当にその通り。しなやかさや軽さって、それこそが、まさに「抜け感」ですよね。コスパを取り入れることで、着こなしのリズムが変わって、抜け感が生まれる。それは確かにありますね。
 

鮮度高いコスパ服を着るときの合わせるアイテムは、自分に馴染んだ信頼のブランドにする

2021年夏の松井さんのスタイル。「私が最も信頼を寄せているマディソンブルーのブラウスとパンツに、当時トレンドだったグルカサンダルを合わせたスタイルです。サンダルはシーズンの途中にZARAで買いました」(松井さん)

松井このZARAのグルカサンダルは、ライター仲間が履いていたのが可愛くて「それどこの?」って聞いて教えてもらったんです。シーズンの途中、トライしやすい価格で手に入れられたのもうれしかった! 

室井:旬のアイテムって、マンネリ化し始める頃に取り入れるとカンフル剤になってくれますよね。手頃なコスパブランドで見つけられると、ちょっとラッキー! と思うのは私も一緒です(笑)。

松井このサンダル、エクリュっぽいカラーも合わせやすくて、便利で結構履いているの。履けば履くほど、ますますコスパアイテムでしょ? とっても良いお買い物だった!

室井:それも大事。コスパって、ただただ「安いからいい」ではないですよね。安くても、結局着る機会が少なかったり、役割がなかったら、必ずしも”価値のあるお買い物”ではないですからね。

松井活かせるかどうかが鍵になるのよね。実際に買うときも、これを本当に着るのだろうか、これがあるとどんな着こなしができるか、ってとっても慎重になっちゃう。「安いから、とりあえず買っておこう」ということはまずないわね。限られたクローゼットのスペースに、迂闊にものを増やせないし。

室井:だから、安くても理由があるもの、ときめくもの、なんですね!

松井本当にそうなの。ムロリンにとっての”コスパ服”ってどんな存在? 私よりも圧倒的にブランドもアイテムも知っているムロリンが考える、コスパ服が知りたい!

次回はスタイリスト室井由美子さんの「大人のコスパの最終結論」を軸に語り合います! お楽しみに。


特集「何を選ぶ?どう着る?大人とコスパブランド、ちょうどいい関係」はこちら>>

過去の室井さん&松井さんのアスクアンドアンサーまとめはこちら>>

 

写真/目黒智子
ヘア&メイク/コンイルミ(ROI)
取材・文/松井陽子
構成/幸山梨奈
 

 


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