ファッションエディター松井陽子さんが、ZARAで購入したフェイクレザーのパンツをご紹介します。
皆さま、お元気ですか。
もう、季節はすっかり秋ですね。
先日、大学生の娘の買い物に付き合ってZARAのショップにぶらりと立ち寄ってみました。
平塚のショッピングモールの中のショップはクラクラするほど広くて、颯爽と店内を行き交う店員さんもみんなサマになっていて。レジの背面のプロジェクターのモードな映像にもついぽけーっと見入ってしまって。
んー。ZARAのスピード感はとっても速く、つねに進化形だ。
……って、何を今さらという感じですが、久しぶりにショップでのお買い物は結構カルチャーショックでした。洋服を見るというより、もはや掘り出す感覚。中高生の頃に古着屋さんであれこれ探していたあの感覚と少し重なるようで、それにもまたグッときちゃったり。
娘とお買い物をするのも久しぶりだったので、それもまたうれしくて。
3人兄弟の真ん中、兄とは1歳違いで、下の弟とは12歳も歳が離れている、そんな娘は大学生になって都内で一人暮らしを始めました。コロナ禍で入学式もできず、授業もリモートで。憧れの大学に進学したものの、思い描いていた大学生活とはまるで様子の異なる状況ではありましたが、若者たちは若者たちなりに、しなやかに結びつきながら、彩り豊かに今を過ごしています。
電車で1時間ちょっとの距離ですが、湘南の自宅に帰ってくるのはいい具合に時々。私が早朝から撮影の日や、兄が夜遅くまで都内で用事がある時などは別宅気分で泊らせてもらったりと、いい意味で大人の関係になった気がします。ちょっと心配し合う、そんな距離感もありがたいものなのです。
たまに帰宅してくるとドライブがてら近場に出かけたり、お買い物をしたり。この日も夫と下の息子と4人で出かけて、最後にショッピングモールへ。そして娘の洋服を選んであげようということに。
あれこれ見ているうちに、「あれ? これ良さそうじゃない?」「へー、私好きなデザインだわ」と、気づけば自分の洋服を見ているという、よくあるパターンです。笑
フィッティングで見せ合いっこをし、娘はジャケットとプリーツスカートとニットを、私はパンツと娘と色違いのニットを買って帰りました。お互い、大満足!
それがこちら。フェイクレザーのウィークエンドパンツです。
よりレザーっぽく見えるから、ではなく、もっとポジティブにフェイクレザーを選べたのが私にとっては大ヒット!
フェイクレザーを選んだのは本当に久しぶりで、数年前だったか、ZARAでガウチョパンツ(……この響き、懐かしい!)を買ったことがありました。それはそれでとても新鮮だったのですが、微妙に私には合わず、結局そこまで活用できず……。
実際に試着してみたら、そんな古い記憶は見事に刷新されました。
新しくワードローブ入りしたこのパンツは、カーキのようなベージュのような曖昧な色。あえて黒にしなかったのは、このちょっと例えられない色味はニュアンスカラーと相性が良さそうだったから。くすみ系の淡い色とも合いそうですし、ビターな茶色や、もちろん黒とも。難しい色とも定番色とも馴染んでくれるニュートラルさが気に入りました。
合わせたカーディガンは前回ご紹介したエブールのもの。アウター感覚でTシャツにまとったり、真冬を待たず、この季節からリアルに重宝しています。このウールのキャップもうこれからの季節の相棒です。
こんなふうにベージュ系のニットとも相性が良くて、遠目に映るシルエットは特に変化がなくても、このツヤッとした素材感おかげで印象はこれまでのものとは変わりそう。足元はナイキのスペースヒッピー。これも去年から履いていますが、快適さはもちろん、装いのアクセントに重宝しています。
2年ほど前だったか、レザーのパンツをワードローブに加え、冬のおしゃれが本当に楽になりました。素材の表情がより豊かになる冬は、レザー(レザー調であれ)の風合いが良きつなぎ役になってくれるんです。これまでの「今日のコーデ」にもレザーのスリムパンツや、つい最近もスウェードのパンツスタイルをアップしていますが、ツヤめくレザー、あるいは光を吸い込むマットなレザーはどちらも大活躍で、もはや欠かせません。
装いの色づかいはいつも通りでも、素材の表情が異なるだけで全身の印象は確実に変わります。ざっくりとしたニットにもスウェットトップスにも、あるいは足元がスニーカーでも。
デニムやウールのパンツではなんかパッとしない時に、レザーが解決してくれることが本当によくあるんです。そして、それを知って以来、おしゃれすることが気楽になりました。個性的な表情の素材がいい意味でおしゃれの停滞感を流してくれるというか、それが私の場合はレザーのアイテムだったのです。
コンフォートなジョガーパンツというのも気に入った理由です。これはもう真冬のロケの日に最強であること間違いナシ! ハリのある素材感でフォルムもあるので、このパンツはインナーも仕込みやすい。静電気スプレーはあった方が良さそうですが、でもその他はクリア。濡れてもいいし、シワも汚れも全く関係ない感じ。しかも裏地は起毛素材なので相当暖かそう。
そしてもう1つ。レザーの臭いが気になる方もいるかと思いますが、フェイクレザー特有の臭いもありますよね。かつてのガウチョパンツは、実はそれもあって登場機会が減ってしまったのですが、あのなんとも言えない臭いも感じられませんでした。素材は確実に進化しているようです。
おまけに。
この日買ったニットはこちら。迷いのないピュアな赤に心奪われてしまいました。形も今っぽくて、うんとラフに着こなしたいと思っています。
まずは洋服から深まる季節の準備をするのは職業柄でもありますが、寒い冬をより快適にしてくれる物を1つずつ増やしながら、気持ちが少しでも上向くように……。
それにしても、晴れた秋の日の青空は雄大で、柔らかな陽射しも心地良くて。
豊かな季節ですね。
ではまた2週間後に!
Good day!!
松井陽子
Yoko Matsui
Instagram: yoko_matsui_0628
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