前回、ダイアナ元妃のシャネル愛用アイテムをご紹介しましたが、実はその裏でシャネルを避けていた時期もあった元妃。と言うのも、それは夫・チャールズ皇太子(当時)とカミラ夫人に関係していたから。ブランドにとってはまったくのとばっちりですが……。

ある時夫・チャールズ皇太子が、二つのCが絡み合ったカフリンクスをしていることに気づいた元妃。「カミラがプレゼントしたのね?」と詰め寄った元妃に対し、「そうだ、それがどうしたんだ? 友人からのプレゼントが悪いのか?」と喧嘩に。
想像に容易いですが、そのデザインがシャネルのロゴと似ていたことから、ダイアナ元妃の中でそれ以来、そのロゴを見ると嫌悪感が生まれてしまうことに……。

1988年10月、初めてパリを公式訪問。写真:Press Association/アフロ

前回お伝えしたように、ダイアナ元妃のシャネルデビューは1980年代後半、初のフランス公式訪問の時。それまでは基本、自国ブランドのアンバサダーさながら、英国ブランドを選ばれていた元妃でしたが、それ以降時折愛用をされ、中でも印象的だったのは1992年12月、正式に別居が発表された日の公務で、ネイビーのシャネルジャケットをお召しになったダイアナ元妃。まるで皮肉さながらに。

 

その後もファッションを利用しながら結婚生活の終わりを示唆するかのごとく、シャネルを着用されてはいたものの、しかし正式に別居が発表された後には、一時シャネルを排除されていたことも。それほどまでに、もはや余裕もなく最も辛い状態だったといえるでしょう。

1996年にオーストラリア人のファッションデザイナー兼エディター(Jayson Brundson)との打ち合わせの際、いくつかの靴やバッグを見せ、「どう思う?」とお聞きになったダイアナ元妃。
その中にシャネルの靴を見つけ、「これはヴェルサーチのドレスにも合うと思いますが」と言うと元妃は「ダブルCにリンクした物は履けないわ。なぜなら、カミラとチャールズを意味するから」とおっしゃったそう。

とはいえ、その日こそ着用を控えられた元妃でしたが、その後も着用は続き、離婚以降に至っては、特に逝去の年1997年には、多くのシャネルアイテムを愛用されていました。

前回ご紹介したブルーのスーツを含め、CCマークのボタンがついたものすらお召しに。果たしてこれが意味することとは……?
元夫と愛人への勝利? それとも牽制?
または、やっと自由に自らの道を切り開くべく、進むべき道が見え、本当の意味で自立の一歩を踏み出されたからこそ、気にすることなく、まさにココ・シャネルのような女性、働く女性の服として愛用されていたのかもしれません。

同じ男性を愛しただけでなく、愛用ブランドまでも同じとは、なんとも皮肉な繋がりですが、では一方のカミラ夫人。1970年に、カミラ夫人23歳、チャールズ皇太子22歳の時にポロで知り合い、それから35年後となる2005年、晴れて再婚。現在まで、なんと52年ものお付き合いとなるお二人です。これだけを見ると“まさに純愛を貫いた”と言えなくも……。
そんな現カミラ王妃にとっては、愛の象徴のようなブランド、シャネルの愛用アイテムをご紹介します。


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カミラ夫人が愛用されるシャネル①
黒のキルティングショルダー・クラッチバッグ

2005年12月25日、サンドリンガムでのクリスマス礼拝。写真:ロイター/アフロ

シャネルの定番と言える、黒のキルティングにゴールドのCCマークがバックルになった、ショルダー&クラッチバッグを愛用。色、デザイン共にベーシックで使いやすいものを選ばれているところが、やはり英国人で堅実さを感じさせますね。

英国調のお洋服にも、これならクラシックで相性が良いところもお気に入りの理由でしょう。

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