身の回りのモノで美術館のような空間に

写真:Shutterstock

片づけ後の部屋をよりときめく空間に変えていく過程で、「うちには飾るほどの価値あるモノはないし……」と思われる方がいるかもしれません。でもこんまりさんは、「モノの価値は値段ではないんですよ」と話します。

片づけの現場では、どう見ても普通の器なのに、強烈に惹きつけられるモノに出会うことがあるといいます。持ち主に話を聞くと、そのほとんどが大切にされていた(されている)モノだとか。

「たくさんの人に大切なモノとして敬われ、多くの視線を浴び続けた結果、美術品や工芸品として洗練された雰囲気を持つモノに育っていくので、ぜひそういったモノをお部屋の一角に飾ってみてくださいね」とこんまりさん。

ちなみに、そのまま飾る「置く系」の小物類は、大量に並べると雑然とした雰囲気になりやすいので、お皿やカゴ、敷物などで枠を作って飾ってみてください。細々とした小さなモノの場合は特に見た目にもスッキリと収まり、掃除もしやすくなります。

そしていくらお気に入りのモノでも、大量に飾らず「大好きなモノを少しだけ」を前提にレイアウトしましょう。大切なのは軽やかさ。余白を作り、風の通りを感じられることが何より大切です。

 

お守りは神棚へ!


最後に、買ったはいいものの、置き場所に困りがちなお守りやお札のディスプレイ方法です。お守りは、買った時こそ盛り上がりますが、持ち歩ける量にも限りがあって、結局引き出しにしまわれたまま……という方もいるかもしれません。実は片づけレッスンの現場でも、お守りはたくさん発見されるモノの定番のひとつだとか。

写真:Shutterstock

そこでこんまりさんが提案するのが、家の一角に「マイ神棚」を作って飾ることです。おすすめの場所は、本棚の一番上の段の一角。神棚らしく、目線より高いところに置くのがポイントです。お守りは授かってから1年が効力の期限なので、1年経ったら忘れずお寺や神社に返納しましょう。
 

構成・文/井手 朋子

 

<最新刊>
『おしゃべりな部屋』

近藤麻理恵、川村元気 著
1760円 中央公論新社

近藤麻理恵さんがこれまでに片づけてきた1000以上の部屋にまつわる実話を基に、映画プロデューサー川村元気氏が紡ぐ7つの部屋の物語。
気鋭の絵本作家・大桃洋祐のカラーイラストを収載した、読売新聞連載時から話題沸騰の小説がついに単行本化!

 


前回記事「【こんまり®流・片づけ術】アクセサリー、メイク用品はどうする? こんまり®流「小物収納の極意」」はこちら>>


近藤 麻理恵さん

 片づけコンサルタント。5歳から『ESSE』などの主婦雑誌を愛読。中学生のときに本格的に片づけの研究を始め、大学在学中の19歳の時、コンサルティング業務を開始、独自の片づけ法「こんまり®メソッド」を編み出す。2010年に出版した初めての著書『人生がときめく片づけの魔法』が世界40カ国以上で翻訳出版され、シリーズ累計1300万部を超える世界的大ベストセラーに。「KONDO」という言葉がアメリカでは「片づける」という意味として使われるようになるなど、社会現象となる。2015年、米『TIME』誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選出され、活躍の場を海外に広げている。2019年よりNetflixにてスタートした冠番組『KonMari—人生がときめく片づけの魔法—』が190カ国で放映され、エミー賞2部門にノミネート。2021年に公開された新シリーズ『KonMari〜“もっと“人生がときめく片づけの魔法〜』はエミー賞を受賞<デイタイム・エミー賞>。現在は、こんまり®メソッドを使った片づけレッスンを提供する「こんまり®流片づけコンサルタント」を育成し、日本を含め世界60カ国以上で約850名が活躍中。

 
  • 1
  • 2